入試の「公平性」が変わっていく
さらに長期的な視点で見ると、CBT入試は、入試問題や解答のデジタル化が前提となるだけに、大学入試の形を根本から変えていく要因になり得るだろう。
例えば、前述した入試会場選択の柔軟化のほか、デジタルによる採点の効率化に伴い、入試終了直後に合否が分かる仕組みの実現も理論的には可能だ。合格発表までの数日間を不安な気持ちで過ごす風景は過去のものとなる。
さらに、入試の「公平性」の概念も変わっていく。これまでは、同一の入試問題を一斉に解答することが「公平」と考えられてきた。今後は、問題や解答をデジタル化して大量に蓄積し、人工知能(AI)を活用することによって「解答難易度は同じだが、内容が異なる問題」を作成することも可能になる。
つまり、AIで異なる問題同士の難易度の差を統計データに照らし補正することで、同一の入試で受験生ごとに異なる問題を出題することができる。そうなれば、究極的には「常時・随時受験可能な大学入試」の登場も現実味を帯びてくる。
前出のプロメトリック社・佐藤氏は、「当社は、国家試験や資格試験など、人々の人生に大きな影響を与える数々の『ハイステークス試験』に携わってきました。大学入試は『ハイステークス試験』そのもの。セキュリティをはじめ、サービスの向上を図りながら、CBT入試に関する理解を促し、もっとたくさんの大学で導入されるよう、呼びかけていきたいと考えています」と言う。
城西大学も「常時・随時受験可能な大学入試」の実現には前向きだ。
「2027年度入試の状況を見つつ、すべての学力試験のCBT化も視野に入れて検討したいと考えています。今後受験生が急激に減少するのは明らかであり、受験生と大学の双方にメリットのあるCBT入試は強力な武器になるものと期待しています。他大学での導入も増えてお互い切磋琢磨(せっさたくま)してきたいですね」(桂澤氏)
