入学直後から学ぶ
科学的アプローチサイクル

 同校の学びの中心にあるのは、「THINK & ACT」。知識を習得するだけではなく、それを基に深く考え、行動へとつなげる姿勢を重視する。このサイクルの繰り返しこそが、生徒の成長を促し、豊かな人生を創造すると考えている。

 中学には以下の三つのクラスが設置されている。 インターナショナルサイエンスクラス(ISC)、 インターナショナルクラス(IC)、 2年次からのメディカルサイエンステクノロジークラス(MSTC)。いずれのクラスでも、国際教育とサイエンス教育が軸となっている。

 その実践の核となるのが、入学直後から学ぶ「科学的アプローチサイクル」だ。日常の中での気付きを「問い」として言語化し、仮説を立て、検証方法を考える。データを収集・分析し、結果から自分の意見を構築し、他者に伝える。そしてフィードバックを受け、新たな問いを生み出す。この一連のプロセスを通して、深い思考力と問題解決能力を養っていく。

 具体的には、中学1年の「サイエンスリテラシー」で基礎を徹底的に習得。中学2・3年の「ゼミナール」で実践し、高校では自らテーマを設定して研究・探究へと発展させていく。

中学1年全クラスが対象の「サイエンスリテラシー」。中高6年間の基礎となるサイエンスの技法を学ぶ

 この思考法は理系にとどまらない。家庭科を担当する内田雅和・教頭は、「家庭科の授業でも調査・実験・分析のプロセスを取り入れ、家庭や社会における自分の役割を考える内容にしています」と話す。

三田国際科学学園中学校・高等学校
内田雅和教頭

 例えば、「家庭内の家事分担」をテーマに、生徒は「最も家事をしているのは誰か」という仮説を立てる。実際に家事を細分化して調査し、得られたデータから日本の現状を分析。さらに、将来のあるべき姿について議論を深めていく。

「人とどう関わりながら生きていくかを考えることが、この教科の大きな役割です。それが結果として、本校のキャリア教育にもつながっていきます」(内田教頭)

国際色豊かなインターナショナルクラス(IC)。入学式の日からホームルームは英語で運営される

 国際教育の特徴としては、40人のインターナショナルティーチャーが在籍(26年度)し、中高全てのクラスに関わっていることが挙げられる。同校では帰国生が約4割を占める一方で、英語初心者で入学した生徒からネイティブレベルまで幅広い。中学のICは、 帰国生中心の「アカデミーグループ」と、英語初学者の「イマージョングループ」に分かれるが、後者も中学3年次には主要教科をオールイングリッシュで学ぶレベルに到達する。

「英語が日常にある環境では、グローバルへの挑戦は特別なものではありません。海外大学合格者の約3分の1が非帰国生という点にも、それが表れています」と原田中学校長。高校では、海外高校卒業資格が取得できるDDP(デュアル・ディプロマ・プログラム)に加え、25年度からはAP(アドバンストプレイスメント)も導入。米国大学進学への道をさらに広げている。