荒籾(あらもみ)和成校長
本校が大切にしているのは、体験を通して学び、主体的に考え行動できる力を育てること。AIの発展などにより問題の答えを容易に得られる時代だからこそ、単なる知識習得ではなく、実際に体験し試行錯誤しながら学ぶこと、そこから学ぶ意欲や主体性を育てることが重要だと考えています」と、荒籾(あらもみ)和成新校長は話す。
その象徴的な取り組みが「クリエイティブラーニング」。教科横断型の学びと体験的な活動を結び付けたもので、中2では「ピザ作り」を実施している。国語でコンセプトを言語化し、社会でピザの歴史を学び、理科で発酵を実験し、数学で販売や利益を考えるなど、各教科の学びを一つの体験に統合したのだ。最終的に東京家政大学の施設にあるピザ窯を活用し、生徒が自分たちでピザを焼き上げるまでがプログラムに含まれている。
「実際にピザを作って食べることで、教科で学んだ内容が現実の生活とつながっていることを実感できます。こうした経験を通して、生徒は学ぶことの意味を理解し、学ぶ意欲を高めていく。グループで取り組むことで、協働する力も自然と育まれます」
内面の成長を促す
グローバル教育を実践
もう一つの柱が、「グローバル・コンピテンス・プログラム(GCP)」。OECDの提唱する資質に基づいて開発されたもので、英語を手段として用いながら、多様な価値観について考える力を育てるプログラムだ。
授業は、外国人講師と英語科の教員とのチームティーチングで実施されるが、単に英語力を伸ばすことだけが目的ではなく「世界とつながる」ために必要な考え方や姿勢を育てることを重視している。プログラムは六つのユニットに分かれ、例えば「MY HOME」というユニットでは、HOME(ホーム)が場所だけでなく、自分にとって大切な人や物、そして安心できるコンフォートゾーンでもあることを学ぶ。
「その授業では、コンフォートゾーンから一歩踏み出して挑戦するために、I can’t(できない)から、I can(できる)へと考え方を変えることを学びます。生徒たちからは“自分の考え方が変わった”“他者を受け入れられるようになった”といった声が寄せられ、単なる知識ではなく、内面的な成長につながっていると実感しています」と荒籾校長。
東京家政大学への内部推薦進学は約4割、近年は国公立大学への進学実績も伸びており、教育の成果が表れ始めている。
30年以上にわたり同校で教壇に立ってきた荒籾校長は、校長就任の思いも込めてこう結ぶ。「本校の魅力は、大学附属という恵まれた環境だけでなく、生徒同士の温かい関係性と、安心して過ごせる校風にあると感じています。安心できる居場所があるからこそ、ここを拠点に外の世界へ挑戦していくことができる。卒業後も、生徒にとってのホームのような存在でありたいと考えています」。
東京家政大学附属女子中学校・高等学校
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