利根川典子校長
2026年度から、利根川典子新校長が就任した武南中学校。利根川校長は「グローバルリーダーとして必要な確固たる人間性と知性を育てる」という従来の教育方針を継承しつつ、「孔子の説いた『知・仁・勇』の三徳を磨く大切さを伝えたい」と、意気込みを語る。
知・仁・勇の「知」は正しく判断する力、「仁」は人を思いやる心、「勇」は困難な局面で挑戦する精神だ。「一朝一夕に身に付くものではありませんが、まずは明るくあいさつをする、困っている人に声を掛けるなど、思いやりを少しずつ行動に移すことから始めよう、と生徒たちには話しています」(利根川校長)。
学校は温かな思いやりにあふれる場であるべき、というのが利根川校長の考えだ。武南中では思いやり、マナー、言葉遣いなど人としての品格に関わることを丁寧に指導。その結果が、穏やかな校風によく表れている。
教育面では、グローバルリーダーの育成を目標としていることもあり、英語教育や国際理解教育に重点を置く。中でも英語は公立中学の約1.5~2倍の学習時間を確保。知識としての英語を、使える英語に進化させ、英会話の授業ではディスカッションができるまでにスキル向上を目指していく。
中2では全員参加の「アジア研修」を実施。学んできた英語を使って交流を体験することに加え、発展するアジアの勢いを心が柔らかい時期に体感し、国際感覚を養うことが大きな狙いである。
マダガスカルの学生と
交流授業を実施
また、探究学習でフィールドワークをとことん充実させている点でも武南中は際立つ。理・社の学びに関連した校外学習のほか、教養教育にも力を入れる同校では、歌舞伎などの古典・伝統文化の鑑賞、博物館や美術館巡り、文学散歩なども実施。その数は3年間で20回を超える。
「机上の学習だけでなく、五感を通した学びは生徒の心に深く響きます。ただ行って終わりではなく事前学習、体験、事後学習という流れで、学びを知識として染み込ませることも大切にしています」(利根川校長)
フィールドワークの内容は毎年少しずつ変わるが、近年はSDGsをテーマとした探究に力を入れている。25年度は、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの協力の下、例えば中2はマダガスカルの学生との交流授業を実施。「気候変動と防災」をテーマに動画を送り合い、お互いの共通点や相違点、考え得る防災対策などを話し合った。
「普段はなかなか縁を持つこともない国の人たちとつながり、そこにも自然災害に苦しんでいる人がいて、同じように気候変動の当事者であることを知りました。子どもたちの視野を大きく広げられた手応えがありましたし、実際に海外に出てみたい、世界的な社会課題を解決したいといった志を持つ生徒も出てきています」(利根川校長)
学校の内外で多様な刺激を受けられる武南中では、グローバルリーダーの卵が育っている。
