及川正俊校長
「自立と判断力」を育む教育を大切にする、神奈川学園。生徒一人一人の自主性を重んじる姿勢は、学校生活のルール作りにも発揮されており、アイス自販機の設置や紺色靴下の導入など、生徒の発案が多数実現している。その校風が伝わっているのか、近年の入試では志願者増の傾向が続いている。
そんな同校が、2026年度からさらなる進化を遂げる。新カリキュラム「Self-Driven Learning Program(SDL)」の導入だ。2期制・週5日制に移行し、土曜日を「生徒自身が自由にデザインできる1日」へと転換する。習い事やボランティア、部活動など自分のやりたいことに取り組むほか、新たに開講する特別講座「KG OPEN HUB」を受講してもよい。KG OPEN HUBには、現在年間を通じて約170講座が準備されており、企業の仕事体験や同校卒業生の絵本作家による講座、大学での学びの体験など、教員だけでなく企業や卒業生も協力し、多彩なプログラムが提供される予定だ。さらに、大学生メンターがサポートする週末自習室も設けられ、自学自習の環境も充実する。
及川正俊校長は、新たな取り組みの狙いをこう語る。
「本校の生徒たちは、出された課題に誠実に取り組みます。しかし、宿題を与え過ぎて自立の芽をそいでしまっているのかもしれないと思い至りました。新しいカリキュラムには、好きなことに打ち込んだり多様なことに挑戦したりするゆとりをつくり、自分で自分を成長させられる『セルフドリブン(自主的・主体的)』な生徒を育てたいという思いを込めました」
中学の2人担任制を生かし、教員が個別面談で「どう過ごすか」を一緒に考え、手厚く伴走しながら「選ぶ力」を養う。寄り道や試行錯誤も含め、時間をかけて自立へと導く構えだ。
自分の理想を描く力は
AI時代を生き抜く鍵に
生徒の自主性・主体性を重んじる姿勢は、これからの社会で不可欠となるAIとの付き合い方にも通底している。及川校長は、AIを使いこなすことが当たり前になる時代において、「自分はどうしたいか」という明確な目的意識を持つことの重要性を指摘する。
「『社会をこう変えたい』『自分はこうなりたい』という目標が前提になければ、AIに使われる側になってしまう。その目標となる理想を見つけるための機会を提供するのが、中高6年間の役割だと考えます」と及川校長は語る。
一方で、同校が大切にしてきた「リーディング・プログラム」の取り組みも実を結んでいる。毎日15分の読書時間を継続することで、読書量や読書時間の増加が見られた。
生徒同士が本を紹介し合う機会も生まれている。「自ら文献に当たることは、情報に左右されない確固たる土台となる」と語る及川校長。最新の教育プログラムと、地に足の着いたアナログな学びの両輪で、「自立した女性」を育む同校の歩みから目が離せない。
神奈川学園中学・高等学校
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