田口哲夫教諭
完全中高一貫校の都市大付属では、6年間を前期・中期・後期に3分割したプログラムを採用。前期は基礎の定着を図りつつ先取りで学習を進め、中3からの中期で習熟度別授業に移行。後期は大学受験を見据えたハイレベルな演習を中心として、学力に磨きをかける。
6年間の学びの充実ぶりを証明するのが、華々しい大学合格実績だ。2026年春は東大12人を筆頭に、多数の生徒が最難関国公立大学の扉を開けた。私立大学も早慶上理だけで240人超が合格。この結果を、進路部の田口哲夫教諭はこう振り返る。
「この学年は『勉強も部活も100対100』という本校のスローガンを見事に体現した生徒が多かったと思います。本校では日頃から勉強とともに部活、行事などにも熱意を持って取り組むよう指導しています。もちろん両立は大変ですが、二兎(にと)を追う熱意のある生徒の方が、何となくダラダラ勉強に向かう生徒よりも、最終的に伸びる傾向が強いと思います」
同じ進路部の天野義之教諭も、この話に深くうなずく。「私が担任したアイスホッケー部の生徒も、高3の1月にインターハイに出場しました。頼むから骨折だけはするなよと言いましたが、彼は無事にやり遂げて、その後、東大に現役合格しています」。
中学生のうちから
将来に目を向けさせる
生徒に熱意を持たせる起点となるのは、学びへの主体性だ。それを育てるため同校では、中学からさまざまな取り組みを行う。中1・中2では自分の考えを自由に発表する弁論大会を開催。思考力や考えをアウトプットする力を高めるとともに、他の生徒の考えを知ることで、視野を広げる機会になっている。
中3では社会人OBの講演会や企業研修といったキャリアスタディを行い、仕事とは何かを学ぶ。その上で、高1からは仕事につながる進路を具体的に考えるべく、生徒自らが興味のある大学や学部などを調査する。
さらに、受験を終えたばかりの卒業生の講演会なども行い、受験や大学というものへの解像度を高めていく。こうして高2が終わるまでには、自身の将来像を明確に描き、学力とともに受験に向かうマインドを高められる仕掛けになっているのだ。
高3になると各自、「第1志望校宣言」を書き出し、自分のロッカーに貼るのが恒例だ。
「こうして『みんなで頑張ろう』という空気をつくることによって、生徒たちは互いに励まし合いながら例年、最後まで駆け抜けてくれますね」(田口教諭)
とはいえ、模試の結果が悪いと、弱気になる生徒も多い。
「生徒を励ますのも教員の仕事。高3では担任が小まめに生徒と面談し、過去の先輩のデータを見せて勇気づけたり、時には他の教員にもつなげててこ入れすべき部分を一緒に考えたりしながら、受験本番まで伴走しています」(天野教諭)
大学受験も行事のように一致団結して挑む。それが、熱意あふれる生徒とそれに応える教員がそろう都市大付属らしさだ。
