佼成学園中学校・高等学校
八十川 勝副校長

 佼成学園は早くから探究活動に力を入れてきた。段階的に探究の力を育てているのが特徴で、中1は「自然科学」、中2では「人文・社会科学」、中3は「じぶんの好きなコト」がキーコンセプトとして設定されている。高校になると、ゼミ活動を通じて、主体的・協働的に探究のサイクルを回し、その過程と成果を発表する。校内の発表会をはじめ、外部コンテストへも積極的に応募する。2025年度は「第11回高校生国際シンポジウム」に、高2の6人が本選出場を果たし、スライド発表(人文科学・教育分野)で最優秀賞を受賞した。発表の内容は「河童伝説の多様性はどのようにして生まれたのか―地域・時代・社会背景から見る形成の仕組み―」。

「その生徒は、各地方の河童伝説を調べて、川が危険な場所では悪い河童が、人間との関わりが深い場所では良い河童の伝説があることを知り、論文形式で発表したのです。本校の探究学習は、生徒自身が選んだ題材を、生徒自身に自走させるのがポイントです。教員は伴走者。好きなものが対象なので、生徒たちは勝手にどんどん深掘りしていきます」と、八十川勝副校長は語る。

 高校のグローバルコースで実施されている2年間のアントレプレナーシップ(起業家精神)プログラムもユニークな試みだ。チームを組んで社会課題を解決するアイデアを出し、社会への価値提供を目標にプロダクト作りに取り組む。高2の3月にボストンアントレプレナーシップ研修があり、そこで米国の起業家たちに英語でプレゼンテーションを行うという機会もある。

「あるチームは、暗記したい学習内容を曲に変えるアプリ『UTAMEMO』を開発、東京都教育委員会主催のモバイルアプリコンテストで金賞を受賞しました。また別のチームは、自身が敏感肌で苦労したことから、スキンケア製品診断サイト『SkinU』を開発、薬局との連携が決まるなど、まさに社会への価値提供を実践しています」(八十川副校長)

「どこかで必ず光る
場所がある」

 26年春の大学受験では、国公立大28人、早慶上理55人、GMARCH137人という実績を出した。海外大学への合格者も41人と増えている。

 運動部では、クリスマスボウル(全国決勝)の常連である高校のアメリカンフットボール部が有名で、鉄道研究部や吹奏楽部など文化部の活動も盛んだ。八十川副校長は「どこで輝けるかは生徒それぞれで、部活動や探究活動を含め、どこかで必ず光る場所があるはずです」と語る。

 同校には伝統的に、生徒たちが自発的に集まって仲間の大学合格発表(オンライン)に立ち会う文化がある。「合否にかかわらず健闘をたたえ合います。それができるのは、最初はライバルでも最後は仲間という意識があるからで、部活動でも、受験でも生徒同士の結束力は強いと感じます」と、八十川副校長。生活の全てに男子校ならではの連帯感と熱量があふれている。

外部コンテストへも積極的に応募している同校。2025年「第11回高校生国際シンポジウム」スライド発表(人文科学・教育分野)で最優秀賞を受賞した
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