佼成学園女子中学高等学校
西村準吉教頭

 佼成女子が今、教育の軸に据えているのは、生徒が自らの生き方や進路を深く考え、実現していくための「針路共創」だ。従来の「進路指導」ではなく「針路共創」と呼ぶことについて、西村準吉教頭はこう説明する。

「これまでは、大きな船に乗って、みんな一緒に同じところを目指していく形でした。今は、それぞれが船を仕立てて、『なりたい自分になる』ための目的地に向かっていく時代です。学校は、港になり、多様な道の中で進むべき方向を見つける手助けを行っていきます」

 この個別最適化の思想は、学校全体の改革によって実現された。同校は英語教育に力を入れてきた歴史があり、「英語の佼成」と呼ばれるほどだ。そこからさらに一歩進め、2020年から中間試験を廃止、授業を短縮した分を自由な時間に充てる「スコレータイム」の設置など、生徒の主体的な学びを促す改革を進めてきた。

 特に探究学習は、哲学や先端科学など多様なテーマに取り組む少人数のゼミナール制(1ゼミ8人程度)として進化。探究で育んだ思考力をキャリアに結び付けるため、高2には「キャリアデザイン」科目を設置した。高大連携を強化し、5大学と連携、大学図書館の利用や研究室ツアー、出張授業とその成果を発表するスクーリングへの参加など、実践的な学びを常時展開している。さらに、講演会や企業とのつながりも積極的に開拓。「職業選択のための準備にとどまらず、将来の可能性を広げるための幅広い経験を重視した多彩なプログラムを用意しています」(西村教頭)。

校内予備校と
卒業生チューターの存在

 校内予備校についても注目したい。今でこそ、多くの学校が導入しているシステムだが、佼成女子は20年も前から始めた、いわば先駆け的存在。「レギュラー講習」では難関大受験を目指し、「トップレベル講習」では同系列の男子校と共に難関国公立大を目指す。年内入試対策には「ふみだす」講座があり、この3本を柱としている。特に「ふみだす」は、さまざまな入試方法に応じた対策講座を用意、25年度は約8割を占めた年内入試合格の実績に大きく貢献した。

 佼成女子にとって、卒業生の存在もまた、大きな財産だ。大学生約40人がチューターとして在籍しており、校内予備校で取り組んだ演習内容をフォローしたり、過去問の指導や、学習や針路の相談に乗ったりと、さまざまな場面で活躍している。彼女たちは、探究学習から針路決定、難関大合格までの“航海”を終えた先輩として、生徒たちの身近なロールモデルとなっている。「卒業生が、探究学習や校内予備校に協力してくれるのは、大変うれしいことです」と西村教頭は目を細める。

 こうした手厚いサポートを受け、中学入学時には自信を持てなかった生徒も、6年間で自己肯定感を得て大きく成長する。学校は、生徒一人一人の個性と進捗を見守る、まさにホームポート(母港)として機能している。

探究学習の成果をキャリアデザインの最終形として発表する、3月の「プレゼンテーションデー」の様子
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