獨協中学校・獨協高等学校
坂東広明校長

 獨協医科大学への系列校推薦枠が設けられて5年が経過した。2022年度から26年度まで、系列校推薦入試に計38人が出願し36人が合格を果たしている。合格率として非常に高いものがあり、高大連携プロジェクトが順調に推移していることが分かる。

 生徒たちに評判が良いのは、毎年夏に獨協医科大学で開催されるサマーセミナーだ。中3生と高2生が対象で、同大学の教員による模擬講義を受けた後、医療現場を訪れる。中3生は、学部生が受ける解剖学の講義を中学生向けにアレンジしたプログラムを体験し、ドクターヘリを見学する。高2生は、リハビリテーション科の教員の下で気管挿管訓練の実習を行い、昼休みは卒業生である現役の医大生と食事をしながら交流し、受験勉強の方法や医大生の日常、医師になるための心構えなどを聞く。

「午後の病棟実習では、病棟のバックヤードで、医師・看護師・技師たちがどのように連携して動いているかを目の当たりにして、チーム医療の在り方を学びます。サマーセミナーには、中3では医療への関心がある生徒が、高2では具体的に医師を目指している生徒が多く参加します。自分が実際にそこで学んで働く姿をイメージできるため、参加後は医学部進学のモチベーションが上がり、勉強への取り組み方が変わります」と話すのは坂東広明校長だ。

 推薦入試の出願には基準があるが、高校3年間の評定平均が3.7以上とそれほどハードルは高くないという。同校では、高3になると医学部志望の生徒向けに生命倫理を学ぶ小論文の授業があり、教員がローテーションで面接の想定練習も行う。合格率が高いのは、「推薦で入学した先輩たちがしっかりと実績を残しているから」と、坂東校長は卒業生の頑張りを指摘する。

「百学連環」が育む
思考力と表現力

 医学部を目指す生徒も、理系の勉強だけをしていればいいというわけではない。

「初代校長・西周(にしあまね)の言葉に『百学連環』があり、それが本校のカリキュラムポリシーになっています。全ての学問は輪のようにつながっているという意味で、基礎となる一般教養(リベラルアーツ)の重要性を説いたものです。最近特に感じる課題は、AIの発達とともに、生徒たちが“自分で考える”ことをしなくなっていること。リサーチして集めた材料を基に自分の考えを構築する、という経験が損なわれていくことに危機感を持っています。そのため中1では、学校行事があるたびに感想文やエッセーを書かせ、優れたものは学年通信で共有する活動を行っています。また中3では、原稿用紙30枚程度の研究論文を1年かけて作成します。こうした取り組みは、今の時代だからこそ意義があると考えています」と坂東校長。

 約8万点の蔵書数を誇る充実した図書館は、同校の特色の一つでもある。理系と文系の学びをバランスよく提供する、それが獨協の強みであり魅力となっている。

医療に興味のある中3生と高2生を対象に、獨協医科大学で行われるサマーセミナー。高2生は午後、白衣を着て病棟実習に参加する
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