共栄学園中学高等学校
増村 薫広報部長
「本校では、文武両道を大切にしています。探究という言葉は広く使われるようになっていますが、私たちは部活動における創意工夫も探究の一つだと考えています。限られた環境の中で、どう工夫して成果を出すかを、生徒自身が考えて実践しているからです」と話すのは、広報部長の増村薫教諭だ。
2023年、高校の野球部が甲子園に初出場した。校内に十分な練習環境がない中で、ウェイトトレーニングや食事の管理など、学校の施設内でできることに徹底して取り組み、生徒たち自身が主体性を持ってチームの強化に取り組んだ。当事者意識を持つことで、粘り強いチームができ、東京都の予選でも逆転劇を重ねながら優勝したのだ。
高校の女子バレーボールチームは、25年春の高校バレーで3回目の全国優勝を果たした。同校は有力選手のリクルートを行っておらず、寮施設もない。
「授業や宿題、試験も他の生徒と同じで、特別扱いはありません。練習時間も他の部活と同じ19時には完全下校。限られた時間の中で、教員は工夫を凝らして練習メニューを考え、生徒たち自身も練習メニューを考案します。体育館も他の部との共用で、コートの半分しか使えない。いわゆる強豪校と違って、時間も設備も厳しい中で、創意工夫を重ねて全国優勝という成果を出したのです」(増村教諭)
学びと実践をつなぐ
探究カリキュラム
部活動だけでなく、実践的な学びにつながる探究学習にも力を入れている。通常の授業とは別に6限後に行う「K‐チャレンジ」という選択科目で、八つのプログラムを用意している。例えば、AI学習に必要なスキルを習得し、社会の最前線で活躍できる人材を目指す「AIチャレンジ」や、留学生と英語でコミュニケーションを取りながら探究活動を行う「Power in ME」、レゴ(R)ブロックとプログラミングを通じて、複雑な課題にチームとして取り組む「レゴ(R)エデュケーション」などが用意されている。
「プログラムには、文系理系を問わず、興味を持った多くの生徒が参加しています。部活動と勉強を両立しながら、面白そうなプログラムがあると積極的に飛び込んでくる。実社会でも役立つ探究活動だと捉えています」と増村教諭。
24年度から高校は「未来探究」「理数創造」「探究特進」「探究進学」「国際共生」の五つのコース制になり、高校進級時に進みたいコースを選べるようになった。生徒は、ミスマッチが起きないように、丁寧な面談を経て進級する。
「本校は、生徒と教員の距離が近く、自分が授業を担当していない生徒でも、教科の質問に来ることがよくあります。大学進学の面接練習でも初めての先生にお願いに行くなど、生徒と教員はとても風通しの良い関係にあると感じています」と増村教諭は目を細める。「文」と「武」を互いに高め合う環境をつくる共栄学園は、文武両道をその言葉通りに実践している学校である。
