並木憲明主幹教諭・広報部主任
校内の至る所に生徒や卒業生の絵や彫刻、陶芸作品が飾られ、まさにアートに囲まれた6年間を送ることができる、女子美術大学付属高等学校・中学校。絵を描くことや、ものを作ることが好きな女子受験生からの人気は絶大で、合格後の辞退者もごくわずかだ。
そんな美術好きの女子たちは入学後、意外にも美術の授業で「つらさ」を感じるのだという。
「生徒たちは真剣に美術に取り組み、『生みの苦しみ』ともいえる制作のつらさを経験します。そのつらさを乗り越えていく共通の体験があるからこそ、時には学年を超えてお互いの作品や個性をリスペクトし合う空気があります」(並木憲明教諭)
他者を理解しながら、自分らしさも確立していく6年間。その根底にあるのが、美術教育に力を入れる女子美ならではの「画室(アトリエ)性」だと、並木教諭は語る。
「同じモチーフを大勢で囲んで描くアトリエを思い浮かべてみてください。隣の生徒が自分とは全く違う表現をしているのを見て、生徒たちは『みんな違って当たり前』という感覚を身に付けます。そんなふうに他者との比較を通じて、自分らしさを形成していけるのが女子美なのです」(並木教諭)
そんな一人一人の「自分らしさ」を、教員たちはありのまま大切にする。並木教諭は「生徒を型にはめることなく、その子はその子なりの形のまま、『相似形』でパワーアップして大きく成長してほしいと思っています」と願う。
国際交流の機会を増やし
グローバルな視点を磨く
海外研修も、女子美は一味も二味も違う。高校生の希望者は美術の本場フランスでの研修で、ルーブルやオルセー、オランジュリーの三大美術館を巡り、イタリア研修ではミケランジェロやラファエロの作品を間近で鑑賞する。長く続いてきたこうした海外研修に加え、2026年度は、米国・ロサンゼルスで高校生を対象とした美術・デザイン研修を初めて実施する。世界的なデザイン会社のロス事務所では、それぞれが制作した作品について、現地のデザイナーの前で英語でのプレゼンを行う予定だ。生徒たちは普段から、自分の作品を英語で語れることを目指す女子美オリジナルの授業「Art English」を受けている。ロスでのプレゼンは、本場でその実力を発揮する貴重な機会となりそうだ。
他にも、中学生向けにマレーシアでの語学研修を企画したり、高1・2の3学期、単位取得や内部進学に支障を来さず留学できるターム留学制度を導入したりと、生徒たちが美術の専門性だけでなくグローバルな視点を養う機会も充実させつつある。
卒業後は約85%が女子美術大学に進学し、アーティストやデザイナー、絵本作家など「好き」という夢を仕事にしている人が多い。AI時代だからこそ価値が高まる、「人肌の感じられる仕事」を担う人材が、これからもたくさん巣立つのが女子美だ。
女子美術大学付属高等学校・中学校
〒166-8538 東京都杉並区和田1-49-8
TEL:03-5340-4541
URL:https://www.fuzoku.joshibi.ac.jp/
