田中俊一委員長は任期中に結論を出すことを目指していたが、一転して柏崎刈羽原発の「合格」判断を見送った Photo by Ryo Horiuchi

 変わりやすいのは、秋の空だけではないらしい。9月13日、原子力規制委員会(規制委)は東京電力ホールディングスの柏崎刈羽原子力発電所6、7号機の再稼働の前提となる審査で、事実上の合格証に当たる「審査書案」を取りまとめる予定を、一転して見送った。

 東電にとって、柏崎刈羽原発は収益改善の大きな柱だ。1基が稼働すると年間最大で900億円ものコスト削減につながる。今年5月に策定した再建計画「新々総合特別事業計画」でも、福島第1原発の廃炉や事故の賠償などの関連コストを捻出するための最大のドライバーに位置付けられていた。

 だからこそ、東電は、原発事故を招いた事業者として世間の厳しい目にさらされようとも、再稼働を目指して突き進んできた。規制委から合格の“お墨付き”を得ることが東電の悲願だったのだ。

 ところが、13日に東電経営陣に届けられたのは、「判断見送り」の一報だった。ある東電幹部は、「取締役会が開かれた前日の12日時点でも、合格を疑わなかった」と打ち明ける。東電は、規制委の態度の豹変に戸惑うばかりだった。

「空白の1日」に何があったか。