東京電力ホールディングスの新体制が発足した。小早川智明新社長は柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を最大のミッションとして課されている。再稼働にどう向き合うのか、考えを聞いた。(「週刊ダイヤモンド」編集部 片田江康男)

こばやかわ・ともあき/1963年6月生まれ。88年4月東京電力入社。2014年6月常務執行役。15年4月東京電力エナジーパートナー社長。同年6月取締役。入社以来、一貫して営業畑を歩む。 Photo by Kazutoshi Sumitomo

地元の信頼を失った縦割り組織を変革する 原発は必要な電源だ

──米山隆一・新潟県知事は、原子力発電所の再稼働には東京電力ホールディングスの企業文化や意識の改革が必要だと言っています。小早川社長は就任後、組織の縦割り、閉塞感の打破に取り組むと宣言していますが、具体的にどんなことに着手するのでしょうか。

 文化を変えるには、きちんとした組織の“プロトコル”を整備することが大事だと思います。守るべきものは何か、何をしてはいけないのか。こうした組織としての新しい理念、進むべき道を社外取締役とも相談して決めていきたい。

 また、組織の縦割りも打破していきたいです。これまで地元自治体への対応のまずさで何度もお叱りを受ける場面がありましたが、その元凶は縦割りの組織にあります。改善策として、プロジェクトチームをその都度立ち上げて、取り組んでいく方法を考えています。

──新潟県に立地する柏崎刈羽原発について、新体制では再稼働に向けてどのようなスタンスで臨むのか、あらためて教えてください。

 原子力は火力や再生可能エネルギーなどを含めた、電源全体の中の一つだと考えています。安定的に安く電気をお届けするためにも重要な電源で、実際、お客さまから再稼働を期待する声もあります。

 今、国では新しい電源ミックスの議論がスタートしていますが、資源小国の日本では、一定以上必要な電源です。

 柏崎刈羽原発は、まずは新規制基準クリアへ向けて取り組んでいますが、地元自治体からのご理解、シビアアクシデント対策など、さまざまな観点があります。これらを総合的に勘案して、事業を進めていきたいと考えています。

──「新々総合特別事業計画」(新々総特)には、送配電や原子力部門で再編・統合を目指すことが明記されました。しかし、提携相手と想定される他の電力会社の反応は芳しくありません。

 他電力と組むときは、相乗効果が期待できるような提携の中身がなければ、相手方も乗ってきません。今、もし私が他電力の経営者の立場だったら、同じように何かいいことがあるのだろうかと疑問に思いますね。これから良い提案ができるように、未来の構想を考えるところから、社内で議論を始めていきたいと思っています。