固定電話設置は
小規模組織にとって相当な負担
豊田 社員が数人から十数人の小規模組織では、社長が総務も兼ねているケースがほとんどです。そうなると、社長は本業に忙しいから、社内システムの効率化まで目が回らないんです。
黒田 私事ですが、私の父も小さな会社の経営者だったのですが、システム会社に言われるがまま、企業規模に対して割高な機器を入れていたようで、本当に非効率でした。
豊田 小規模な企業はシステム会社任せになりがちです。そういう意味では、総務の仕事って情報収集が非常に大事なんですね。すでに固定電話を導入している企業はともかく、スタートアップのような会社では固定電話をオフィスに入れるのは相当な負担です。この「シャモ」のようなシステムは非常にニーズがあるのではないでしょうか。
黒田 はい、パイロットユーザーはスタートアップや行政書士など士業の方が多いですね。なかには、ホームページに「03」番号を掲載するために申し込まれたお客様もいらっしゃいます。
豊田 ホームページへの掲載も信用を得ることが目的でしょう。あまり電話がかかってこなかったとしても、月額900円なら安いものです。
「シャモ」は「私用のスマホの中に
会社用のビジネスホンを入れた」イメージ
豊田 社員が私物の情報端末を業務で利用するBYOD(Bring Your Own Device)にも非常に有効ですね。スマホは安くても1台1万9000円くらいですから、購入するとなると会社の負担は大きい。それを削減できます。一方、社員は"2台持ち"しなくていいし、普段から使い慣れたスマホで仕事ができるというメリットがあります。ただ、会社用番号と自分の番号のどちらに着信があったのかはすぐに判別できるのですか。
黒田 別のアプリになっていますから、瞬時にわかります。着信・発信履歴も電話帳も別です。電話帳の「社内アドレス帳」はクラウド管理なので、個別に登録しなくてもアプリ上で検索・発信できます。いつも使っているスマホのアプリケーションに似ていますから、初めてでも感覚だけで使いこなせると思います。もちろん、「シャモ」から発信した通話代は、法人単位で一括管理・法人宛に請求されます。わかりやすくいうと、「私用のスマホの中に会社用のビジネスホンを入れた」イメージですね。
豊田 一般にBYODでは通信費として会社が一定額を補助しますが、法人への一括請求ならコストが明確になりますね。代表番号への着信は外出先でも受けられますか。
黒田 はい、それが大きな特徴の1つです。代表番号に着信すると、クラウド交換機経由で社員全員のスマホに着信します。着信を一部の社員に限定したり、休日などは留守電に設定しておくことも可能です。そして、例えば代表番号にかかってきたAさん宛ての電話をBさんが受けた場合でも、固定電話と同じように保留・転送できますからスムーズにAさんに取り次ぐことができます。外出していても同じことが可能ですし、内線電話、チャットも無料で利用できます。待ち合わせに「ちょっと遅刻しそう…」といったとき、ササッと発信できるチャットがあると便利ですよね。