山の手と下町の
価格差は縮小するか?

 これまで、東京圏の不動産価格は、山の手エリア(西)と下町エリア(東)で「西高東低」であるのが常だった。下の図は、山の手と下町エリアの価格推移を予想したものである。

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 豊洲や晴海など湾岸は本来、下町エリアに入る。今後、湾岸地域で主に交通インフラと通信インフラが整備されてくると、オリンピックイヤーの2020年には西高東低の乖離は縮まってくると考えられる。

 2016年の1月から9月期に供給された新築マンションは、東京郊外部を含む山の手エリアの販売価格が8106万円(前年同期比+9.3%)なのに対し、下町エリアは5575万円(同▲3.3%)と伸びていない。坪単価も、山の手エリア407.8万円(同+11.2%)、下町エリア269.8万円(同▲3.4%)となっている。

「しかし、オリンピック関連でインフラ整備が進むに従い下町エリアが伸びてきて、両者の価格差は縮小すると予測されます。下町エリアの湾岸、江東、江戸川、千葉辺りが伸びる余地は充分にあると思いますね」(石澤氏)

「東側では清澄白河、森下、住吉辺りは狙い目です。特に半蔵門線住吉駅は、有楽町線が豊洲駅で分岐し、東陽町駅を経由して延伸される計画が進んでいます。若い人の中には下町の方が格好いいというイメージで、清澄白河や門前仲町はたいへんな人気です」(吉崎氏)

 オリンピックイヤーを見据えて東京に家を持つのなら、下町という選択肢も有望かもしれない。

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