転記作業の煩雑さを解消する
現場の声を汲んだスタンプも開発

「e-STAMP」の外観

 最後に、NRIのマイナンバーに関連するユニークな取組みを紹介しておこう。マイナンバーの転記作業における誤記入リスクを極小化するツール『e-STAMP』だ。NRIとしては異例のハードウェア製品だが、大量かつ確実な事務を行うため研究開発に踏み切った。

 自治体や企業の人事・総務・経理部門、あるいは税理士事務所等の実作業に携わる事務方にとって、多種多様な書式に12桁にものぼるマイナンバーを手で転記する作業は、実は容易ではない。『e-STAMP』は、スキャナー入力もしくはテンキーパッドで手入力した12桁のマイナンバーを書類サイズや記載位置に柔軟に対応して印刷する。チェックデジット機能(数字の並びの規則性チェック)と入力したマイナンバーの自動消去機能が搭載されており、まさに金融機関の事務プロフェッショナルが考案した、安全かつ効率的なツールだ。

 この『e-STAMP』は、NRIとKYOSOテクノロジ社を中心に京都試作ネット(京都のモノづくり中小企業のネットワーク)のメンバー企業が共同開発を進めてきた。京都の職人たちの手による筐体のデザイン等、使いやすさ、機能性の追求が行われているという。

 NRIにとっては、大量の事務を確実且つ効率的に遂行するため、京都のモノづくりのプロフェッショナル集団とタッグを組むという、新しいイノベーションに向けたチャレンジといえよう。こうしたこれまでにない企業同士の新しいコラボレーションに、産業振興として、京都府も期待しており、今後、京都を舞台に“大規模事務×モノづくり”の高度化の取組みが広がる可能性もある。

※KYOSOテクノロジ、京都試作ネットの団体概要はこちら
KYOSOテクノロジhttp://www.kyoso-tec.co.jp/
京都試作ネット   http://www.kyoto-shisaku.com/about/overview/

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 さまざまなソリューションを提供し、企業が扱うマイナンバー、個人情報の管理業務を代行するNRIグループは、金融機関での実績をもとに、インターネット上の公的個人認証にも乗り出そうとしている。取引先や顧客に向けて、セキュリティ感度・情報管理リテラシーの高さを発信したい企業にとって、心強いパートナーとなるだろう。 

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