企業が物流戦略を優位に進めるための「ダイナベース活用法」
では、こうした数多くの優位性を持つ「ダイナベース」を活用することで、利用者はどのようなロジスティクスが実現できるのだろうか。
吉野毅常務
吉野氏は「当社として初のマルチテナント型の物流施設であり、荷主企業や物流事業者など、トラック運送事業者にとどまらない幅広い利用者を想定している」という。
また、物流拠点としての活用方法についても、大消費地への配送利便性を活かした大型の都市内物流拠点、広域配送機能と地域配送機能を兼ねた複合型拠点、東京港や羽田空港とリンクした輸出入物流拠点など、幅広い活用パターンがイメージできる。
「まさに利用者の用途や目的に合わせた多様な活用方法が可能なのがダイナベースの最大の強み。利用者が自社の事業特性に合わせたロジスティクスやサプライチェーン戦略を構想する際、多様な絵を描くことができるキャンバスとして最適な施設だと考えている」(吉野氏)。
その中でも、とくに強みを発揮するのが、やはり集配拠点としての立地優位性だ。
例えば、ネット通販などのEコマース企業が利用する場合、BtoC向け配送拠点としての立地優位性に加え、広大な保管スペースを使って幅広い品揃えを在庫できる。
また、ワンフロア完結型の高効率オペレーションが可能なため、受注からピッキング、梱包、出荷までを一気通貫で行うスピード・ロジスティクスの実現も容易だ。大掛かりなマテハン機器が導入できる床耐荷重や、高層ラックを配置できる天井高も確保されており、IoTやロボティクスの導入などを見据えた最新鋭のロジスティクス・センターを実現する上で、この上ない条件を備えている。
通常、都内など大消費地には大型の物流施設を構える適地がないため、Eコマース企業は郊外に大規模の在庫拠点を置き、消費地の近くに小型の配送拠点を配置することが少なくない。しかし、ダイナベースに入居することで、両方の性格を兼ね備えた拠点として活用できるため、分散化による在庫増加や"横持ち"と呼ばれる拠点間輸送コストを削減することもできる。
また、医薬品や食品など温度管理を必要とする商品の物流拠点としても優位性を発揮しそうだ。
「東京湾岸地区には冷蔵や定温などの温度管理が可能な物流施設が絶対的に不足しており、東京の"食"を支えていく点から大きな課題となっている。ダイナベースでは、温度管理物流に必要な電力設備も確保しているため、消費財などの高付加価値物流にも対応できる」(同)。
さらに、既存のトラックターミナル機能との有機的連携により、トラック運送事業者とのコラボレーションも展開可能だという。
「ドライバー不足が深刻化する中で、"足"を確保することは円滑な物流体制を構築する上で欠かせない要件となる。また、トラックターミナルは様々な連携や共同化を目指す場合、これ以上ない最適なステージでもある。当社としても今後、テナント間の連携を橋渡しするコーディネート機能などを強化していきたいと考えている」(同)。
このほか、ダイナベースだけでなく、都内の4カ所のターミナルを活用した集配ネットワークの活用などにも展開イメージは広がる。
吉野氏は「物流はネットワークであり、都内4カ所にターミナルを有していることの競争優位性は高い。利用者にはそうしたメリットを最大限に活かすことで、大都市における戦略的なロジスティクスを構築して欲しい。ダイナベースをはじめとする当社のターミナルには、それを実現できる有利な条件が揃っている」と強調する。