もちろん、それだけではなく、いろいろと努力をしたのだろうと思います。これはつい最近のことですが、私を家庭教師に雇ったのです。自腹を切って、すでに自分の専門分野となっていた領域で、さらに家庭教師までつける。その心意気に感動しました。それがプロです。彼から選ばれたことが、誇らしかったです。今でも私の勲章だと感じています。
当初はだから、「○○は俺の弟子だ」と言う人が多かったのですが、およそ10年経って、今は逆の立場です。「○○氏は私の先生です」と言う人がたくさんいます。
そうやって10年頑張れば、人は一流になれるのです。しかも、ひとかどの人物と見なされるようになっても、さらに上を目指そうとする。学び続ける存在になる。それが一流のプロの証です。
忙しさを言い訳に
学ぶことから逃げるな!
私にとっては野中郁次郎先生(一橋大学名誉教授)や田口佳史先生(老荘思想家)、そして高橋俊介先生(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授)が師匠ですが、彼らは師匠であると同時に、メンターであり、コーチです。
単なる一般的なコーチではなく、研ぎ澄まされた専門コーチです。プロのアスリートを見ればわかると思います。どんなに素晴らしいプロ選手でも、コーチのいない選手はいません。一流であれば一流のコーチがついています。
最初は誰でも膝を折って、教えを請うべきです。そうした師匠を、できれば複数持つのがいいと思います。その師匠たちがいいと言う本を読み、いいと言う勉強会に行き、紹介してくれる人に会いに行く。さらに、関連すると思われる展示会やセミナーにもできるだけ顔を出すのです。
そのうちに多分、どこかで自ら蓄積して来た知識や経験を体系づけなくてはいけないと気がつく瞬間があるはずです。あるいは、これ以上に専門性を高めるためには、決定的に何かが欠落しているという気づきを得るはずです。そこから大学院に通う道を選ぶこともできるわけです。
早い段階でとりあえず大学院などに進学して、全体像を掴むのも悪くないのですが、ひとまず自分で学び始めてみて、機が熟してから集中的に学ぶのも一つの方法ではないでしょうか。先に紹介した人事のプロの方にとっては、もしかしたら、私を家庭教師につけたことが、その集中的な学びの段階なのかもしれません。
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