いずれにしても、30代は旗印を掲げるべき年代なので、本気で掲げるために時間の有効活用をしていただきたい。忙しいのは当然だと思うので、いかに合目的的に時間を使うかが重要です。そのためには、自分のための「働き方改革」がどうしても必要になります。

 無駄な仕事などやっている暇はありません。付加価値の低い仕事は思い切って止める提案をしましょう。学ぶ時間を作るための「働き方改革」を率先して始めてください。今の仕事の付加価値を維持しながら、できるだけ短時間で片付けて、勉強したり、本を読んだり、語り合ったり、人に教えを請うための時間を何が何でも作るのです。

 自分のことを振り返ると、30代は忙しい時代でした。会社の仕事で責任は重くなり、家事労働の分担もありました。私の場合は30代の最後に子どもが生まれたので、当時は育児をしながら本を読んでいました。そんなふうに、寸暇を惜しんで学ぶ。それも、面白がりながらやる。そうしたいという気持ちが、「働き方改革」のいいきっかけになるはずです。

 そこで勝負は決まるのです。「くだらない仕事はやらない」と決め、「働き方改革」をするのか、「忙しいから仕方がないじゃないか」と学ぶことから逃げるのか。もしあなたの中に忙しさを言い訳に学びから逃げたい気持ちがあるとすれば、まだまだ本気にはなっていない証拠です。目の前の忙しさに、酔っているだけです。

自分の専門領域が価値を
失う日が来るかもしれない

 冒頭で紹介した人は、自ら積極的に自分の専門分野を変えたわけですが、学び直しが必要になる事態はネガティブな理由でも起こり得ます。好きか嫌いかにかかわらず、今まで学んできたこと、自ら積極的に磨いてきたノウハウや知識をすっぱりと学習棄却して、次に進まないといけない、そんなケースはこれまでも、またこれからも、様々な業種で起こり得ます。

 本当に見つめ直さなければいけないのは、実はそうした可能性なのかもしれません。

 例えば、かつてNTTでこんなことが起こりました。昭和50年代までの電話交換機と言えば、クロスバー交換機というものでした。クロスバースイッチを開閉するというもので、高度なメカトロニクスの技術が必要でした。

 それが次第にコンピュータで制御する電子交換機にその役割を奪われていきました。奪われたのは機械だけでなく、関連する技術者もです。高度なアナログ―メカトロ技術を磨いてきた多くの技術者の活躍の場が失われたのです。そうした話は数多くあります。在庫管理をはじめとする基幹業務システムの処理を専門に行うオフコンの技術者もそうでしょうし、かつてのレコードプレーヤーのピックアップ技術者もそうでしょう。

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主役交代を引き起こす劇的なイノベーションは今後多くなる


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なお、匿名での質問でも構いません。どの質問を取り上げるか取り上げないか、また単独の扱いか、同種の質問を同時に扱うか、いつ扱うかはすべてお任せいただきます。そのため、扱わない場合もありますし、すぐにお答えするかどうかはわかりません。その点はご容赦ください。

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