それから彼は何をしたか。大学の3年に編入しました。もともとは化学を専攻していたのですが、今度は電子工学科に入学しました。日本人からすれば、これは想像を絶する思い切った決断です。
彼は大学で2年間学び、さらに修士に2年間通い、4年間勉強した後、太陽電池モジュールの技術者になりました。
こうしたダイナミックな変化は世界では当たり前なのです。これからは、日本であっても、そうした変化も選択肢の一つとして真剣に考えていかなければならない時代になると思っています。
将来的になくなる技術、業種、職種はどんどんと増えていきます。それらを代替する一番旬な技術がAI(人工知能)です。仕事がなくなる前に、逆に代替する側の技術畑に移行するといった積極的な選択もあっていいはずです。
そこに面白みを感じ、1%でも自身の可能性を感じられたら、やったほうがいい。自分の人生をジャンプさせたほうがいい時もあります。
「自分は今の仕事をやるために生まれてきたわけではない」と思うのであれば、もう一度初心に帰って学ぶ。30代であれば、まだゼロクリアだってできるのです。
いずれにしても、川に流されて滝つぼに落ちそうな時は、怖がって抵抗して、後ろ向きに流されるのが一番危ないと言います。そのほうが岩にぶつかってしまう可能性が高いのです。現状にしがみつくのではなく、勇気を持って、少しでも前に飛び込んだほうがいい。今は、そういう時代が来ているのではないでしょうか。
(明治大学専門職大学院グローバル・ビジネス研究科教授 野田 稔)
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