「このまま同じように仕事を続けていて大丈夫だろうか」と不安を抱えながら仕事をしている人は少なくないようです(写真はイメージです)

技術の進歩と仕事の変化で
学び直しによるスキル再構築が必要

 かつて人材紹介業は電話一本、名刺一枚で開業できる気楽な商売でした。しかし、現在は状況が一変しています。パソコンやホームページ、データベース等々を用意し、各種ウェブサービスを使いこなせなければビジネスはできません。それなりの資本力やIT、ネットの知識が不可欠となり、簡単に独立開業とはいかなくなったのです。

 業界で存在感のあった企業でも、この潮流に対応できなかったところは淘汰されていきました。なぜならビジネスの内実が以前とは大きく異なるものになったからです。

 近年のビジネスの変化の激しさは人材紹介業に限った話にとどまりません。それは企業だけでなく、個人のキャリアにも大きな影響を及ぼしています。どの業界でもビジネスは刻一刻と変化し、否応なく一つの会社に長期間就業し続けることが難しくなっていると同時に、個人に求められるスキルの変化も早い状況が生まれているのが実情です。

「何らかの専門性を身に付ければ一生安泰だ」というわけにはいかなくなったのです。そこで必要になってくるのが、ビジネスの変化に対応して自分のスキルを変容させていく営みです。すなわち、学び直しによるスキルの再構築、と言ってもよいでしょう。

 例えば、少し前までは業務の効率化をめざす手法のERP(Enterprise Resources Planning)が全盛であり、ERPのエンジニアの引き合いが非常に多かったのですが、現在は落ち着いてくるようになりました。すると今後のことを考え、ERPエンジニアからウェブエンジニアへ移行しようとする人も出てくるでしょう。そのとき、ウェブエンジニアに必要な新しい言語を覚えるための学び直しの機会が必要になるわけです。