プロはプロでも「作業」のプロに成り下がるな!自分がどの位置に立ち、どの方向を目指せば、将来、市場価値が高い人材になれるかをきちんと把握していますか?(写真はイメージです)

稼ぎ続けるプロになる道は
ますます険しくなっている

 本連載では「30代のキャリアの最重要課題は専門性を研ぎ澄まし、一流のプロフェッショナルになることだ」と言い続けています。

 ところが、持続的に稼げるプロになるには昔よりも今のほうが明らかに時間がかかるようになってしまっているのです。

 なぜなら、技術の細分化が顕著であり、しかも日々進化しているからです。また、想定外の変化も頻繁に起こります。広く浅い知識では稼げず、とはいえ、何らかの分野を深く究めても、今度は想定外の変化が起こった途端に無用の長物になってしまうというリスクがつきまといます。このジレンマをどう解決するかが、プロになるための最重要課題です。
 
 そんな、今どきの30代のプロ化戦略のポイントは2つです。プロ人材を表す表現としてよく言われるのがT字型人材です。横棒は汎用的な知識・技能・思考法を表し、縦軸は世の中一般で言うところの専門性を指しますが、ここにヒントがあります。

理系、文系の違いは
もはや意味がない

 一つ目はT字の横棒です。一流ビジネスパーソンとしての“高度な常識”とも言うべきものです。

 技術の進化が著しい昨今、理系、文系の区別も、もはや無意味になりつつあります。たとえ技術の専門家にならないとしても、ビジネスパーソンとして成功するためには、技術の基礎知識は必要です。技術は技術屋の専売特許ではありません。技術を知らずしてもはや経営戦略も考えられません。自分で技術が使えなくても、技術を使って何ができるかというイマジネーションが可能な程度の理解は必要です。