まず、「文科省の主張がひっくり返った」というのは、正確にいえば、、文科省はそうしたことを主張していたが、明確な数的な根拠が示せず主張することができず、政府内での文科省対内閣府の議論において文科省が完敗した、ということだ。
ここがポイントである。
筆者は、本コラムで「当時、規制緩和を進めようとした内閣府に対し、文科省が抵抗したわけだが、この閣議決定にある需要見通しを文科省が出せなかった段階で、内閣府の勝ちである。新設が不要というなら、それを裏づける獣医師の需要見通しを示す「挙証責任」は許認可権のある文科省にあるからだ。
許認可というのは、自由が原則であるのに、一定の条件を課して許認可をかけるわけだ。それなのに、前川氏は、「条件に合致しているかを判断すべき内閣府は十分な根拠のある形でその判断をしていないと、他人事のように記者会見でしゃべってしまった。」と書いた。つまり、文科省にデータを出す責任があったのに、文科省が出せなかったのが問題なのだ。
新設が不要ということは
文科省に挙証責任がある
マスコミは、この点をわかっていない。
13日の国家戦略特区諮問会議の有識者委員による記者会見の後、その日の日本テレビ「NEWS ZERO」で村尾キャスターは「民間議員たちは、文科省からデータが出てこなかったといっていた。 しかし、データが出てこないからといって、いい加減に進めるべきでない。税金を使うことなのだから。議論をやり直すべき」という趣旨の発言をしていた。
これは、文科省に挙証責任があることを無視しており、問題がわかっていないことが明らかだ。村尾氏は、元官僚であるので、議論において挙証責任がどちらにあるのかをわかっていたはずだが、そうした基本論さえ忘れてしまっている。
その上で、マスコミで報道されていることが事実に反していることを、一方の当事者である文科省の「文書」だけではなく、文科省と内閣府が合意し、既に公表されている公文書である「議事録」や「閣議決定」を見てみよう。
(1)2015年6月8日国家戦略特区ワーキンググループ議事録
(3)2016年9月16日国家戦略特区ワーキンググループ議事録
である。



