例えば、文科省は終戦になっても武装解除をしないようなものだったので、いい加減にしなさいという話だ。
これで、「総理の意向」でひっくり返ったわけでなく、文科省がデータを示せずに、総理がお出ましになる前に、課長レベルの事務交渉で、文科省はその主張は変えざるをえなかったのだ。
真相解明が必要とマスコミは言うが、そういう人に限って、(1)と(3)の文科省と内閣府が合意済みの「公文書」に言及しない。それでも、文科省だけの意見である文科省「文書」は調査しろという。時系列を追って、真相解明するのはマスコミに限らず基本中の基本である。その基本動作をマスコミはできていない。その一方で、「耳」情報を頼りにしている節がある。
規制緩和の対立だけでなく
政治闘争の側面もある
加計学園問題は、規制緩和を巡る文科省と内閣府の争いであるが、同時に政治闘争の側面もある。獣医師側の既得権をもつ麻生太郎氏らの政治勢力と、それを打ち破ろうとする安倍首相らの政治闘争でもあるのだ。
「反安倍」という意味では、2015年6月の閣議決定の際の、担当大臣でもある石破茂も絡んでいる。同氏は、閣議決定で4条件を決めた際、かなりハードルを高くしたつもりだっただろう。しかし、文科省に挙証責任があることを忘れていた。
これが国交省などであれば「4条件」を満たせないような需要見通しを作成して、内閣府とのガチンコ議論になっていただろう。少なくも、コールド試合にはなっておらず、接戦になっていただろう。しかし、文科省は挙証責任を全うできなかった。
加計学園問題は、野党もマスコミに乗じて国会で追及しているが、野党へこの話を持ち込んだのは、自民党内の反安倍勢力ということも、筆者はある野党政治家から聞いたことがある。政治家の間では、こうした倒閣活動は日常茶飯事であるから、仕方ないだろう。
しかし、マスコミは(1)と(3)の「公文書」さえ報じないで、一方で「メモ」程度の文科省「文書」の調査をいうのは、バランスに欠けている。
(嘉悦大学教授 高橋洋一)



