チャットをチームワークのハブと
位置づける

マイクロソフト コーポレーションのダン・スティーブンソン氏は、Microsoft Teams の開発意図を説明した

 次に、マイクロソフト コーポレーション Microsoft Teams製品部門シニアディレクター、ダン・スティーブンソン氏が「チーム力向上を支援! Microsoft Teamsの開発秘話と今後の展望とは」と題し、Teamsの特徴などについて説明した。

「ここ数年、ビジネスのトレンドが個人的な生産性からグループの生産性へと移ってきている。チームでの共同作業が多くなり、5年前に比べて1人が参加するチームの数は2倍に増えている。しかし、これまでOffice 365において主なコミュニケーションツールだったメールは、早い意思決定には不向きで、オープンな情報共有もできないという課題があった。また、Skype for Businessは、履歴が残らず、使えるアプリも少なく、共同作業には適していない。こうした課題を解決するために開発したのがTeamsだ」。

 大きな決断だったというのが、「チャットを中心とし、その周りにアプリを配置する」設計。「目指したのは、チャットをチームワークのハブと位置づけ、そこにOffice 365の機能を入れ、共同作業に適したプラットフォーム。現在、約200種類の連携可能なアプリがあるが、このほとんどは外部のパートナーが開発したものだ」と説明。このほか、カスタマイズ性に優れている点、開発部門だけでなく、どのようなチームにも活用できること、セキュリティや情報保護への投資などにも言及した。

 続いて、Teamsの利用例として、世界的な自転車メーカーTREKやHendrick Motorsportsを紹介。TREK は19言語をサポートしている環境を生かし、世界中に散らばっているチームメンバーがTeamsでコミュニケーションや情報共有を図っている。レーシングチームを持つHendrickでは、レースのデータ情報などを過去に遡って共有できる点が高く評価されているそうだ。

 最後に、「5月に教育分野向けと開発者向けのMicrosoft Teamsの提供を開始した」ことなどに触れ、今後のロードマップを紹介。「7月には、社外の人が Teamsに参加できるようにゲストアクセス権をリリース。さらに、プライベートチャネルへの対応、モバイルクライアントへの投資、IT管理者向けの機能の充実、セキュリティ強化などを進める」としている。