次世代のトップ育成も
大きな役目

 株主総会では、西川社長はこの新中計への考え方やポイントを明らかにした。また西川社長(63歳)がゴーン氏と同学年である他、7名の取締役のうち日産プロパーの日本人はいずれも同世代であることから、「日本人の存在感をもって多様なバックグランドを持つ次の世代のリーダーを育てることも使命だ」と自分にとって経営の後継者や次世代の人材育成が大きな役目であることも示唆した。

 日産生え抜きの中で最もゴーン氏の信頼が厚いといわれた西川廣人社長兼CEOは、購買調達部門でのコストダウンやルノーとの共同購買で才覚を発揮し、頭角を現した。日産経営陣のなかで唯一、ルノーの取締役も兼務しルノーの経営も熟知、アライアンスビジネスのエキスパートを自負するドライなタイプといわれる。一方で昨年から日産の代表として日本自動車工業会会長を務め、業界代表の顔もある。

 西川日産体制は、基本的にゴーン体制を踏襲してルノー連合における連携を強めていくことになろう。

 日産の新しい方向性については、今期から6年間の新中計で、「新技術」と「事業展開」の両面でより日産を進化させることを株主総会でも強調した。新技術では(1)「自動運転」、(2)「電動化」、(3)「コネクテッドカー(つながるクルマ)」の3本柱で日産の存在感を強めることとする。

 また、新中計では、6年後に売上16.5兆円(前期11.27兆円)、キャッシュフロー2.5兆円、営業利益率8%達成がポイントであることも明らかにした。

 ルノー日産アライアンスに三菱自が加わったことについては、西川社長はこのアライアンスを日産社内に浸透していく役目を担う覚悟を示した。

 役員報酬の面については、ゴーン会長がグローバル企業として競争力のある水準とし、取締役9名のうち4名が1億円を超えたと説明。また、自らの報酬は10億9800万円で役員報酬総額は19億5000万円であることを明らかにした。

 唯一、ゴーン会長が気色ばんで答えたのが「日産はルノーの完全な子会社となったんじゃないか」の質問だった。「18年間、日産とルノーがともにアイデンティティーを尊重してきたことで、アライアンスの成功例であり、まったく根拠がない」と反論した。

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コミットメントは道半ば

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