トランプ関税でも盤石なトヨタ、赤字の日産・正念場のホンダ…格差広がる業界の今後を占う「注目人事」は?ジャパンモビリティショーで愛車について話すホンダの三部敏宏社長(左)とトヨタ自動車の佐藤恒治社長 Photo:JIJI

自動車決算を俯瞰すると、「トランプ関税はニューノーマル」と割り切れる会社と、赤字を垂れ流す会社の「格差」が広がっている。ホンダが四輪の開発機能を本田技術研究所に再び移すことで、次期社長候補と注目される人物とは?トヨタは社長交代を発表したばかりだが、さらに「その次」のトップ人事への布石と読み解くことができる。(佃モビリティ総研代表 佃 義夫)

「トランプ関税はニューノーマル」
切り替えられるかで「格差」が拡大

 国内自動車メーカーの2026年3月期第3四半期(25年4月~12月)決算が出そろった。俯瞰して見えたのは「トランプ関税はニューノーマル」と割り切って通期および次年度にも織り込み、黒字確保に向けて構造改革を進められる会社と、赤字を垂れ流す会社の「格差」である。

 トランプ関税の悪影響を受けた日産自動車、マツダ、三菱自動車の3社は赤字転落し、他社も営業利益を大きく押し下げた。しかし、トヨタは通期の連結純利益を従来予想から上方修正した3兆5700億円(前期比25%減)と発表した。トランプ関税を跳ね返すかのように、ハイブリッド車(HV)を中心に生産・販売が好調で利益を押し上げるという。

 トヨタは決算発表の同日、電撃的な社長交代も発表した。佐藤恒治社長からバトンを渡されることになった近健太CFOは「損益分岐点を下げて、さらに強い体質をつくる」と、経理・財務畑の新社長らしい決意表明をした。豊田章男会長の陣頭指揮の下、佐藤氏は代表権のない副会長職に就き、自動車工業会の会長と経団連副会長の公職に専念する。強固な経営陣容で、ますます「トヨタ1強」の業界の構図が強まる。