グローバル連合の
まとめ役に軸足を移したゴーン氏

 しかし、ゴーン氏が日産に来てから18年経過し、この間ルノーの会長・CEOにも就いてルノー日産連合を確固たるものとする一方で、その後の日産中計におけるコミットメントはやや色あせてきたとの見方が出ていた。

 また、ルノーを含めたゴーン後継への人材流出も問題視された。今や、仏でのルノーのライバルPSA(プジョー・シトロエン)のカルロス・タバレスCEOは、かつてゴーン氏とともに日産再建の担い手であり、ルノーでCOOも務めたが、ゴーン氏との確執で転出した経緯がある。

 こうした動きを打ち消すだけのインパクトを与えたのが、昨年の三菱自動車を傘下に収めた一件である。三菱自の再建が前提ではあるが、ルノー日産連合全体のグローバル販売は世界のトップに伍する1000万台規模となり、ゴーン氏の世界覇権への野望が現実視されたのだ。

 ゴーン氏は、日産の社長・CEOは譲ったが、代表権を持つ会長として、ルノーや三菱自に提携拡大を狙う独ダイムラーなどとのアライアンス全体を統括する役割を強めている。いわばグローバル連合のまとめ役に軸足を移したということなのである。

 いずれにせよ、日産の再建からルノー日産連合のダイムラー提携、三菱自を傘下に収めるなど世界の自動車産業界におけるアライアンス(提携)を次々と成功させたのはゴーン氏の手腕である。

 ただし、ゴーン日産の時代が長くなるにつれて「賞味期限切れ」と辛辣な見方も上がっていた。「日産パワー88」のわかりやすいコミットメントの未達や日本国内販売の大幅シェアダウンや世界のEVリーダー化の遅れなどからくるものだ。

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国内では第5位の座に甘んじている

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