国内販売では
第5位の座に甘んじている

 最近では日産の国内販売シェアは第5位の座に甘んじている。昨年2016年8月に日産は新型セレナを発売し、「プロパイロット」搭載など新技術を多く採用し好評な新型車の投入を図った。

 だが、この新車は日産として国内では2年半ぶりだったのだ。ゴーン体制にとってグローバル戦略における日本市場軽視は否めなかった。マーケットの大きい米国や中国重視は明らかであり、収益性という面からも日本の比重が小さくなっていたことはたしかだ。ようやくセレナに続くノートe-POWER投入と、商品力強化、巻き返しの動きが出てきている。

 一方では、ゴーン氏が電気自動車(EV)で世界覇権を狙うと豪語していたが、そのEV戦略も販売目標とずれて伸び悩んだ。EVでは、むしろ米国テスラが世界でも話題を集め、日産のお株を奪う動きを示したのだ。これも今秋には新型リーフの発売、e-PWOER搭載の拡大、PHV投入と動向が注目される。

 西川日産体制の課題は、こうしたゴーン長期政権がゆえに浮き彫りになった問題点を捉え、ルノー日産・三菱自連合の中核会社の立ち位置をしっかり確保していくことだろう。ルノー日産連合は、1990年代末から2000年代初頭に起きた世界の自動車メーカー間の合従連衡において、アライアンスの成果を上げたモデルケースとなったことはたしかだ。瀕死の状態にあった日産がルノーの援助(カネ、ヒト)によって再生し、一方で再生後の日産はルノーの持ち分適用会社(ルノーが43.7%出資)としてルノーに持ち分利益を上納することで、ルノーの業績を支えているという一面もある。

 ゴーン氏は、三菱自を加えた世界1000万台規模のトータルアライアンス統括や三菱自の再建に軸足を移し、最近でも三菱岡崎工場に次いで水島工場初視察を行っている。

 西川日産としては、ルノーに加え三菱自とのアライアンスのシナジー効果を進める一方で、新中計の実践が真価を問われる。また、西川社長が次世代のリーダーをどう育て上げて日産経営陣の若返りを進めることができるか、注目される。

(佃モビリティ総研代表 佃 義夫)

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