トヨタが大きく変わろうとしている。今年で創立80周年を迎え、かつ豊田創業家出身の豊田章男社長が就任9年目に入る。トヨタとして一つの節目を迎える中で、自動車産業も大きな転換期を迎えている。こうした状況下で、経営変化と競争力の強化に本腰を入れることになる。
4月から新体制スタート
「仕事の進め方変革」を推進
トヨタは3月、4月からの新年度に向けて役員体制の変更と組織改正などを行い、「仕事の進め方変革」を推進するための新体制を発表している。
まず、取締役の人数を減らした。以前の11名から2名減の9名(社外取締役3名含む)体制に変更し、意思決定の迅速化と経営の監督体制強化を狙う。その一方で、製品軸の社内カンパニー体制の拡充定着と地域軸のビジネスユニットの再編で各カンパニーとの連動を強める意向だ。
今年11月に創立80周年を迎えるトヨタだが、トヨタ自動車を創業した豊田喜一郎氏の孫である豊田章男社長は就任から8年が経過。就任直後は、リーマンショックによる赤字転落に加え、米国でのリコール問題という「嵐の中の船出」だったが、これを乗り切り「世界のトヨタ」を確立した。豊田章男社長は経営者としての自信を深め、長期政権へ臨む構えを見せている。