ゴーン経営の代名詞であった
コミットメント(目標必達)は未達

 それ以外は、ほとんど西川社長が答えて歯切れの良い発言が目立った。国内100万台生産維持についても「日本のモノづくりを支える絶対条件で日産として揺るぎないもの。ただ、国内で売る半分以上確保すべく、日本国内販売の巻き返しを図る。日産が国内で明確な2番手にならないのはおかしい」と言い切った。

 また、新技術と商品戦略の質問にも「電動化は量販車のEV化、e-POWERの進化展開でリーダーシップを取る。自動運転はプロパイロットの改良拡大でステップを踏み、無人運転は実証実験と社会規範を含む対応で高齢化と過疎化対応の視点で取り組む。コネクテッドカーはユーザーニーズに合った展開と、この三つの柱はルノーと三菱自と共同で取り組み、次期中計の最重要テーマとなる」としている。

 日産は、この西川体制移行とともに、今期から6ヵ年新中期経営計画を進めることになる。その前提として、前期までの「日産パワー88」で掲げた世界販売8%シェア確保、売上高営業利益率8%確保が未達に終わったことは認識しておかねばならない。この間の為替変動など経営環境の変化はあったものの、ゴーン経営の代名詞であったコミットメント(目標必達)は道半ばに終わったのだ。

 ゴーン氏はルノー日産連合に加わった三菱自動車の会長ポストに収まり、ルノー・日産・三菱自の3社の会長を連ねて世界1000万台規模の連合軍を率いることになった。当初、日産COO(経営執行責任者)としてゴーン氏が中心となってまとめ99年10月に「日産リバイバルプラン(NRP)という中期3ヵ年経営計画(中計)を発表したのが日産復活の原点だ。そこで注目を集めたのが「コミットメント(目標必達)経営」だった。

 その日産再建計画は、2000年度の黒字化、2002年度の利益率4.5%以上を数値目標として掲げる中で、一気に目標をクリアして日産のV字回復として話題になり、ゴーン流コミットメント経営・V字回復は世間に広がった。

 ゴーン経営は、クロスファンクショナルチーム(CFT)の活用やダイバーシティの積極採用など日本の企業経営や組織のあり方、人材活用などにも大きな影響を与えたことも確かである。

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グローバル連合のまとめ役

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