第1部
“ゆとり”社員だからこそわかる
現在の企業コミュニケーションのムダ

最近とかく話題に上ることの多い“ゆとり”社員。小中学校のゆとり教育を受けてきた世代で、会社では入社7~8年目までの社員の多くが該当する。「自己愛が強い」「ストレス耐性が低い」などと言われるが、実は幼いときからITに親しんできた「デジタルネイティブ」でもある。社会人としての自覚は身につきつつある一方で、特定の慣習に染まりきっていない彼ら、彼女らだからこそ見えてくる“納得できない会社でのコミュニケーションのムダ”があるのではないだろうか。その思いを覆面座談会で自由に語ってもらった。

Aさん:入社3年目。人材サービス会社勤務。女性。
Bさん:入社3年目。製造業で営業を担当。女性。
Cさん:入社2年目。広告代理店で営業を担当。男性。
Dさん:入社3年目。IT企業で営業を担当。女性。

SNSが使えないなら
メールをシンプルに

――皆さんは物心ついた頃からデジタル機器が身近にあったデジタルネイティブ世代です。年配の人が多い会社に入って、コミュニケーションのやり方で「あれっ」と感じたことも多いと思うのですが。

A LINEの使用が禁止されているので「えっ」と思いました。「そうなんだ。使っちゃいけないんだ」という感じ。人材系の会社で個人情報を扱っているので、当然と言えば当然なのですが、ちょっと不便ですね。

B 確かにLINEだとグループがすぐ作れて、情報をメンバーに一斉に知らせることができて便利ですよね。写真みたいなファイルも共有できますし。

――電話は使わないんですか。

C 高校生くらいまでは確かに電話を使っていました。でもLINEのほうが簡単ですし、自然と使わなくなりました。私も、仕事でLINEが使えないのは不便ですね。

D 会社ではメールや電話でコミュニケーションをとっていますが、私は特に不満は感じていません。

B でもメールだと、挨拶から入ったり格式張った書き方をしないといけないですよね。あれはちょっとムダな感じがしますね。

A どうして必要なんだろうと違和感は感じます。

B でも「変なやつ」だと思われたくないので、抵抗はしませんが。

D 私が違和感を感じたのは、CCです。なぜ私のところに来るのか、私はどうリアクションをしたらよいのか、それがわからなくて不安でした。

A CCはメインの宛先が自分じゃないので、スルーしていたら、突然上司から「あのメール見てるよね」と言われて「あっ、見ないといけないんだ」と思いました。

B メールを出す際に上司にCCを入れないで、怒られることがありました。確かに知っておいてもらわないと上司も対応できない。よくよく考えると重要な機能ですよね。

C でも格式張った書き方はちょっと勘弁です。