業務プロセスを誰もが目で見てわかるように!

 ここで取り上げたような業務改革やマネジメントの問題について、共感する経営者や管理者は少なくないだろう。

 こうした問題を解決するための一つのキーワードがある。

「可視化」だ。

 つまり、業務プロセスを誰もが目で見てわかる状態にすること。この考え方は、ものづくりの現場では以前から浸透しているが、管理・間接部門に属する、いわゆる「ホワイトカラー」「オフィスワーカー」の業務ではほとんど浸透していない。

 これまで、最適な技法やツールが存在しなかったからだ。

 私は25年前からこの問題を解決すべく、オフィス業務の現場を改善・改革する仕組みづくりに取り組んできた。

 自分自身がものづくりの現場で得た業務改革のノウハウを生かし、同期方式または多品種少量生産方式のタイミング化を原点として、完成したのが「HIT法」だ。

業務の「可視化」なくして改革なし

 HIT法は、すべての仕事を見えるかたちにする。

 業務プロセスは原単位に分解され、チャート化によって、文字、図、数字情報に変換される。そうすることで、今まで「人に業務がついている」状態だったのを、切り離すことが可能となった。

 たとえば、今まで「あの仕事はあのベテラン社員にしかわからない」と思われていた業務を、誰にでもわかるマニュアルに仕立てることができる。

 今までブラックボックスになっていた、個人や部門の中にあるカン・コツ・ノウハウを、すべてオープンにしてしまうツールなのだ!

 業務を見える状態にすることは、計り知れない効果を生む。まず、ムダな業務が一目でわかり、そこを改善するだけで、業務プロセスの削減やリードタイムの短縮が実現してしまう。