二大電子新聞メディアが語る
旧来メディアの戦略と将来像

KEYNOTE PRESENTATION
「デジタル時代におけるトラディショナルメディアの戦略と将来像」より

■キーノートスピーカー
英フィナンシャル・タイムズ 「FT.com」マネジングディレクター  ロブ・グリムショー氏
日本経済新聞社 執行役員 デジタル編成局長 野村裕知氏
■モデレータ
電通 グローバル・ソリューション・センター 
 戦略プランニング部長 プランニング・ディレクター  片山直子氏

  続いて行われたのは「デジタル時代におけるトラディショナルメディアの戦略と将来像」と題するセッションだ。

英フィナンシャル・タイムズ
「FT.com」マネジングディレクター
ロブ・グリムショー氏

 モデレーターの片山直子氏(電通)の紹介によって、英フィナンシャル・タイムズ紙のウェブサイト「FT.com」を統括するロブ・グリムショー氏と日本経済新聞社のデジタル編成局長をつとめる野村裕知氏が登壇した。

 まず、グリムショー氏が「FT.com」のコンテンツモデルを解説。「FT.com」は2001年から有料課金モデルを開始し、現在ではデジタルのみで24万8000人の購読者を獲得し、紙の購読者数とほぼ変わらないところまで来ているという。

 デジタル版では、購読者のインサイトデータが入手できる点も大きく、これによりイノベーティブなツールを生み出すことが可能となった。

 6月にはAppleのiPhoneのアプリに代わるものとしてHTML5を利用したウェブアプリをリリースしている。

 次に、野村氏は「クラシックメディアにとってもインターネットメディアは成長を促す重要な存在」と指摘。「日本経済新聞 電子版」は有料購読者数が16万人、無料も含めるとその数は110万人に達していると述べた。 

日本経済新聞社
執行役員 デジタル編成局長 
野村裕知氏

 野村氏はメディアの重要な役割として、Gather(情報収集)、Organize(編集)、Deliver(情報発信)があると説明、「情報収集と情報発信は変革した」と語る。つまり、「今は一人ひとりがメディアとなれる時代」だが、点と点を結び、より大きな視点を提供するプロの編集が依然重要であることを強調した。事実、東日本大震災の際にネットに飛び交う情報の真偽や自らとの関連性を知るために、「日本経済新聞 電子版」の訪問者数が増加したという。

「質の高い編集はソーシャルメディアと組み合わせることでさらに力を発揮する」(野村氏)。

 なお、同社では、日本経済新聞でもiPhone向けアプリとHTML5のウェブアプリのを双方を提供している。