若者の課題に若者の目線で解決策を探る
“若者ワークショップ”

 一方、若者研究チーム「VRわかものラボ」では、20代後半の若手社員がリーダーとなって研究・分析を行っている。

 若者のパーソナリティーを表現するために、物事の捉え方と興味・関心マインドという2軸での分類法がすでに考案されている。

わかものパーソナリティー図わかものパーソナリティー図

 

 イマドキの若者といえば「お酒を飲まず、恋愛せず、クルマに乗らない」というイメージを抱きがちだ。しかし、上図でいえば、そのタイプは、興味や関心マインドは広いが、物事の捉え方が減点法の「優等生オープンマインド」「もやもや協調」のタイプになる。

 前者は世間での立ち振る舞いが巧みな優等生で、後者は自分の気持が整理できず決められないことが多いパーソナリティーだ。
 
 ただ同じオープンマインドでも、物事を加点法で捉える若者はポジティブ志向で、恋愛にも車にも積極的だったりする。
 同じ若者が相手でも、いわゆる「考え方のクセ」やセグメントが違えば、アプローチの仕方はまったく異なってくるのだ。
 
 こうしたことが見えてきたのは、“若者ワークショップ”の活動があったからだ。同ラボの研究に協力する大学生や若手社会人を募った組織で、若者に関する課題に対して、若者の目線で解決策を探ってゆく場になっている。

「若者ワークショップが優れているのは、ラボの活動を通じて、参加している若者が自分の気持ちを考えること、発言することに慣れていること。常時つながっているメンバーのため、メンバー間で刺激しあえたり、事前に課題を出すことが可能であったりすることです」
と亀田所長は特長を語る。

 テーマが与えられると、テーブルに分かれて議論が行われ、発表や全体でのディスカッションを通じて、課題解決のためのヒントが生み出される。クライアントがテーブルに入ることも可能で、聞きたいことをその場で聞くこともできる。
 若者の率直な意見を効果的に聞くことができるシステムで、単なる意見収集に終らない優位性を持っている。