物件の特性に応じて
ベストな再生方法を提案

三井不動産レジデンシャル
プロジェクト推進部
プロジェクト推進室主査
石田 整

 三井不動産レジデンシャルは、実に多彩な手法でマンション建替え事業を成功に導いている。 例えば、単独建替えが難しいマンションならば、周囲の敷地と共同建替え事業とする手法もあれば、再開発事業として実現できる道もある。商業施設が入ったマンションならばミクストユース的な建物に建替えて、その後の運営までサポートするという選択肢もある。

 と同時に、建替え以外の再生手法にも長じている。

 「私たちは、建替えだけを前提にご相談をお受けすることはありません。それぞれのマンションの特性に応じて、適した再生方法は変わってきますので、ベストな道をご提案したいと考えています」(同社プロジェクト推進室主査・石田整氏)

 例えば、業界に先駆け、新しくできた敷地売却制度を活用して、賃貸住宅を建てる案件も進んでいるという。

三井不動産レジデンシャル
プロジェクト推進部
プロジェクト推進室主任
川並 恵

 「耐震性不足等のご不安から、マンション再生についてのご検討がスタートしたマンションがあります。当該マンションは敷地面積が小さいという条件もあり、建替えと敷地売却の両方にてマンション再生の検討を進めておりました。当社といたしましては、権利者の皆さまに分かりやすいように両案の比較検討を行い、結果としてその土地のポテンシャルを最大限に引き出し、権利者の皆さまに最も経済的メリットのある方法として敷地売却事業をご提案いたしました。皆さま、住んでいた土地には愛着がありますので、決断は難しかったと思います。しかし、できるだけお会いする機会を設けて、個々人のご要望やご心配な点を伺ううちに、さまざまな情報をいただけるようになり、一つ一つ課題をクリアしてきました。マンションの再生について権利者さまお一人お一人とお話をするときには、私たちが説明したいことをお伝えするよりも、権利者の皆さまが不安や疑問に思っていらっしゃることをお伺いすることの方が大事だと思っています。“話す”よりも“聞く”、これを常に心掛けています」(同社プロジェクト推進室主任・川並恵氏)

 耐震性に問題がなければ、リノベーションという方法もある。

 「再生は、権利者の皆さまと当社が共同で行う事業です。ベストな方法をご提案し、それを検討していただくに当たっては、法的には5分の4の合意でよくても、全員合意を目指すことを強く意識しています。多くの方に『再生してよかった』とおっしゃっていただけることが、私たちのやりがいにもつながっています」(石田氏)

 権利者が検討しやすいよう、初期段階のセミナーにも新しい風を吹き込もうとしている。

 「従来の座学のセミナーでは、再生とはどのようなものかがイメージしづらいと思います。そこで、グループ会社である三井不動産レジデンシャルサービスの『すまラボ』を活用していただこうと考えました。マンションの構造や設備の裏側が見られますので、解決すべき課題をリアルに体感していただけると思います」(石田氏)

 100のマンションがあれば、100通りの再生方法がある。三井不動産レジデンシャルならば、それぞれのマンションの特性に応じた、最適なソリューションを提案してくれるだろう。