難局を乗り切る手腕が光る
乃木坂ナショナルコート建替え事業

建替え前の乃木坂ナショナルコートは8階建て51戸(左)。説明会などを繰り返し、勉強を重ねて全員参加で権利交換に至り、2019年、25階建て、88戸の「パークコート乃木坂 ザ タワー」に生まれ変わる
三井不動産レジデンシャル
プロジェクト推進部
プロジェクト推進室主事
永山 允

 築35年を迎えた乃木坂ナショナルコート(東京都港区)は、老朽化と耐震性への不安から、約3年の建替え検討期間を経て2011年2月、三井不動産レジデンシャルを事業協力者に選定した。その直後に東日本大震災が起こり、事業を取り巻く環境が大きく変わる。

 「再開発の盛んな六本木エリアということもあり、当初は大規模再開発なども検討しましたが、安心・安全なすまいを早く実現するためにも、単独敷地の建替え事業となりました」(同社プロジェクト推進室主事・永山允氏)

 港区の総合設計制度を利用して容積率400%を600%に高め、地上25階建てのタワーマンションにする方針を決定。三井不動産グループ各企業が専門の窓口を設けて所有者の悩みに対応したことが建替え推進力に結び付き、建替組合員の全員参加で権利変換に至った。

 ところが、震災の復興工事などにより建築コストが高騰。悪化した経済条件を極力回復するために、基本設計図を白紙に戻し、ゼロから設計を見直した。「ワイドスパンの背の高いサッシを採用し、梁の影響のない開放的な居住空間を実現するなどして、建替組合から高値で保留床を買い取る方針に切り替え、難局を乗り切りました」(永山氏)

 施設計画立案や事業計画策定に強みを持つ上に、こうした工夫が柔軟にできるところに同社の手腕が見える。

 「再建するマンションのモデルルームがオープンしましたので、建替組合員対象の見学会を行いました。皆さま、完成を楽しみにしておられます」(永山氏)

問い合わせ先
三井不動産レジデンシャル株式会社 マンション建替え相談室
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URL:http://www.mfr.co.jp/tatekae/