若い頃はプレーヤーとしての力で誰にも有無を言わせず、たいがいのことは押し通せたかもしれませんが、さすがに年齢が上がって、正味の実力で言えば若手に並ばれたり追い越されたりするような立場になっていれば、言葉の選び方や言うべきタイミングには配慮が求められます。要は「大人になれ」ということです。
私見に過ぎませんが、「本田選手はきちんと言葉を選んでいるな」と思います。昔よりも明らかに周りの人を立てるようになっている。それでもいまだに言うべきことははっきりと口にする。「ああ、格好いいな、大人だな」と思いました。
ワールドカップに話を戻すと、今回の日本チームは善戦したと思っています。
「その良さは何だったのだろうか?」と考えると、ベテランが若手を上手く鼓舞したことではないかと思います。下馬評を覆せない弱い気持ちのままで大会を迎えていたら、さすがにチームとしての実力を発揮できなかったでしょう。そこで下を向かせないようにベテランが鼓舞したのだと見ています。
その結果、ベテラン以上に活躍したのが若手だったのです。
会社の危機にあってもこれは同じです。ベテランのやるべきことは、いかにして若手をその気にさせて成果を出させるかです。そしてその時に、先ほどの本田選手のように、皆の盾になり、本音を代弁することが極めて重要になります。
楽観を装い、若手を安心させて
舞い上がらせてこそベテラン
豪雨や地震など、天災のリスクがこれほど高まってしまった時代は、これまでにもそうはなかったのではないでしょうか。企業でも破壊的イノベーションにより、一瞬にして競争環境が変わってしまうなど、経営リスクは小さくありません。
企業でも個人でも、想定外の危機に直面した時、一番大切なことはパニックに陥らないことです。まずは落ち着くこと。これが一番重要です。
そんな危機の瞬間こそ、ベテランの真価が問われます。定年間近の「おっさん」「おばさん」が一番活躍しなくてはなりません。
もちろん、自分一人で危機に対処する、スーパーヒーローになれと言っているのではありません。むしろ逆でしょう。



