年寄りの行動を
制限するのが正しいか?
高齢化にまつわるニュースが途切れません。高齢者の自動車運転問題は引きも切らず、麻生副総理の「老後2000万円貯蓄」問題などなど、少子高齢化が引き起こすさまざまな問題がとうとう噴出し始めました。
今後のドラスティックな変化からすれば、今などまだまだ前哨戦にすら差し掛かっていません。それですら、これだけの問題が起こるのです。果たしてこれからどうなるのか、本当に暗澹たる気分になります。
保険業界では、「長生きのリスク」といった言葉も生まれました。少子高齢化の未来絵図では、年金が不十分になることはほぼ確定的で、老後破産も珍しくはない世の中になりつつあります。健康寿命も長くなりますから、これまでよりも長く働ける世の中になりますが、必ずしも、それが明るい未来とは限りません。どうやら人によるようです。
長生きのリスクにはもう1つ、介護負担のリスクがあります。寝たきりになる、日常的に介護が必要になる、認知症になる、といったリスクも高まります。
日本はまだ高齢化社会に慣れていません。アクティブシニア(定年退職後も意欲的で元気なシニアのこと)が社会を担う、そんな明るい未来は見えてきません。
昨今の高齢者が起こす自動車事故に対応する形で、運転免許証の自主返納が進められていますが、どうしても車が必要になる地域も少なくありません。自動ブレーキなどの安全性能の高い車に限って高齢者の運転を許す限定免許も検討され始めました。