早大改革が付属人気に拍車
中高一貫校は国立大実績が鍵
このことが中学・高校入試に与える影響は大きい。
直接的な影響は、改めて付属人気を強めることだろう。今春の18年入試はこれまでも言われてきた通り付属人気が大きな傾向となった。これは21年度募集(入学者)から予定される大学入試改革の全貌が鮮明でなかったことから、17年にまずは女子、ついで18年は男子付属志向が強まっていった経緯がある。
さらには、17年、18年と、東京一極集中を避けるという「国策」で、都内有名私大の合格者が絞られ、これに伴い、私立中高の有名私大実績が相当減少し、中高一貫進学校の威光に陰りがみえている。
注目に価する中学受験の動きで言えば、男子の学習院、女子の香蘭女学校、共学化した青山学院横浜英和、進学校であり系属校である早稲田中学の高い人気とその継続である。
ここに挙げた学校は系列の大学に5割以上進学し、青山学院横浜英和を除けば難関国立大を中心に系列大学以外の有名大学進学実績も相当良い。また、同じ立教系列校でも立教女学院より香蘭は入りやすく、青山学院より青山学院横浜英和は入りやすい。学習院は付属校の中では倍率が2倍そこそこで難度倍率ともに入りやすい。あるいはまた、明治大学付属の中野八王子の人気ぶりがすごかったが、これも明大明治に比べれば入りやすい系列校だ。
ただ、女子校の付属校人気は伸び悩んでいる。こうした付属、半付属の人気ぶりは、3年前まではむしろ下降していた。つまり、入試改革が近づくに従って上昇してきたことになる。しかも、19年の受験生は大学入試改革の全面実施年に当たる。より付属人気が鮮明になる可能性が高い。
そしてここにきて前記した早稲田大学の看板学部である政経学部の入試改革の発表である。これは、いわば国立大学に進学実績のある中高一貫校でないと合格しそうもない、という印象を与えたことだろう。