二分される受験生の人気
微妙な立ち位置の文系実績校
これらのことによって、受験生動向は2つの方向に人気が集約されると思う。
1つは、国立大学実績が高い男子上位校であり、もう1つは言うまでもなく有名私大付属校である。そして微妙なのは、いわゆる女子校、とりわけ系列をもたず進学実績も文系が多い女子(あるいは共学)の進学校だろう。
女子学生率の高い私大の付属校人気は高い
18年入試では、女子校人気は中位より上にランクされて人気になるか、下位にランクされて不人気になるかで二分され、いわゆる両極分解した。それは上位ランク女子校が国立大学理系の合格実績がかなり高いからだ。
しかし、その中で気を吐いたのが品川女子学院の2月1日午後の算数一科入試だ。あらかじめよく説明が浸透していたのか、高い難度で厳しい倍率の入試状況となった。19年入試はこの算数一科入試に参入するところが多くなり、男子校、共学校そして女子校の中堅校が実施予定になっている。各校によって出題方針はもちろん違うものの、算数に強みをもつ受験生が受験する傾向にあり、いわゆる「私大文系」の消滅というこの事態を奇しくもカバーする動きになっている。
また、前記した私大合格実績の全体的な低迷の中で、大きく実績を伸ばした進学機能の高い中学・高校も改めて注目されることだろう。とりわけ、逆風の私大難関校の早慶上理実績を大きく伸ばした宝仙理数インター、東京都市大等々力、順天、あるいは17年大幅に伸びた実績を維持した東京都市大付属などは19年も人気になる可能性が高い。