広告のクリエーティブも日々効率化・最適化

 インスタグラムで展開するコンテンツ運用は、リニューアル時の3月から8月までの6カ月間行い、広告代理店のサイバーエージェントと共に試行錯誤を繰り返したという。

キリンビバレッジのマーケティング部が「インスタ広告」を使った理由インスタグラム広告のコンテンツ制作は手軽にできるためメッツコーラでは100パターン以上制作。効果測定を繰り返しながら最も効果的なクリエーティブパターンを突き止めていったという(左=展開初期のもの、右=最終的に最も効果的だったもの)

「ターゲットに届けたい商品の特徴は“トクホ”と“強炭酸”。なので『トクホを軸にしたもの』『強炭酸を軸にしたもの』という具合にクリエーティブパターンを作っていきました」

 さらに「夜食」などの時間帯別、「週末」「週明け」などの曜日別など細かいパターンも制作。内容だけでなく、画面の2分割、3分割、あるいは30秒、60秒動画というパターンもあった。

 それぞれのコンテンツに対し視聴完了率やクリック率を測定。悪いものはバッサリ切り、良いものだけを残していくことを繰り返し、最終的に良いコンテンツが絞られていった。

「日々の運用や計測、最適化はサイバーエージェントさんにお任せです。逐一結果報告をしてくれたので、その結果を見ながらスピード感を持ってPDCAを回し、効率よく広告展開できた。その結果、売り上げ増にも結び付いたと思います」

キリンビバレッジのマーケティング部が「インスタ広告」を使った理由メッツコーラのインスタグラム広告の効果検証の一部。テレビCMと違い、ウェブの大きなメリットの一つは、リーチ単価、視聴完了率、CTRなどの詳細なデータから効果を可視化、分析できること。メッツコーラもクリエーティブごとに細かく効果を測り、精度を高めた
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 脇山氏は今後もインスタグラムをメインにメッツコーラの広告展開を考えているという。

「インスタグラムは若年層と女性に強い媒体という先入観で選択肢に入れていませんでしたが、実際には30~40代男性にもしっかり訴求できることが分かったのは大きな発見です」

 今後、テレビCMに勝る効率的な広告としてSNSの活用が広がっていくと予想されるが、有力な媒体として、インスタグラムが加わることになりそうだ。