◆サイバーエージェントが解説!「インスタグラム広告の優位性と可能性」
なぜ、「キリン メッツコーラ」のインスタグラムでの広告展開は奏功したのか? サイバーエージェントのインターネット広告事業本部フェイスブック局・鈴木絵子マネジャーは、インスタグラム広告の費用対効果が高い背景について次のように説明する。
「インスタグラムはSNSとして世界的にメジャーな存在ですが、例えば米国のユーザーの間ではフェイスブックの支持が根強い。ところが、日本ではインスタグラムのMAA(月間アクティブアカウント=実際に利用されているアカウント数)の伸びが他のSNSを圧倒していて、企業広告の分野でも、インスタグラムで広告を打たないこと自体が機会損失とも言える状況になっています」
しかも、インスタグラムのユーザーは「自分の興味に特化しながら熱中して見ている」(鈴木マネジャー)傾向が強く、ターゲティング広告がより効果を発揮しやすいという。
日本国内でインスタグラム広告の有効性が高まっていることを踏まえて、2018年2月からサイバーエージェントでは、そこに特化した専門部署「インスタ局」を設立しており、鈴木マネジャーもその一員だ。
同じくインターネット広告事業本部のインフィード本部インフィード戦略局に所属する谷川茉穂マネジャーも、「そもそも、インスタグラムは若年層向け・女性向けの媒体というイメージは大きな誤解で、年代別に分析してみても幅広く、バランスよくユーザーがいることが分かっています。意外かもしれませんが、40代以上の利用者も増えているんです」とインスタグラムの有効性について語る。
「意外に」という観点でいうと、効果が期待できそうなのが実は“BtoB”広告だという。
「インスタグラムは、他のSNSと比較してもターゲティングの種類を細かく、多く設定できます。BtoBのコミュニケーションの場合、とても狭い層にターゲットすることが必要なケースが多いと思いますが、そうしたときにインスタグラムは効果的です」(谷川マネジャー)
また、幅広いユーザーを抱え、狙ったターゲットにしっかりと発信できることに加えて、「精度の高い広告の効果測定が低予算で実施できる点もインスタグラム広告の大きな強み」と谷川マネジャーは指摘する。
さらに、前出のキリンビバレッジの脇山氏とともに、メッツコーラのインスタグラム広告を担当してきたサイバーエージェントインターネット広告事業本部次世代ブランド戦略室の小嶋優氏は「どのメディアに、どのくらいの予算を掛けて展開するかは弊社にお任せいただいていたので、リーチ単価や視聴単価を比較し、より最適なものに予算を投下して、効率的な配信を行っていました」と語る。つまり、細かな運用は専門家に任せることができるため、これまでウエブ展開の経験がない企業の宣伝・広告の担当者でも、インスタグラム広告はすぐに手掛けられる施策であるようだ。
「メッツコーラの事例からもわかるように、インスタグラム広告はスマートフォンに全面表示できるストーリーズの活用が特に注目されており、今後もその傾向が強まると思います。ですが、ストーリーズ用の画面素材は少しの工夫で簡単に制作できるので、決してハードルは高くありません」(小嶋氏)
以上のように、若年層や女性に限定されたメディアではないうえ、ターゲティングの効果に優れ、低予算での実施が可能であるというインスタグラム広告。実施のためのハードルも低いということからも、まずはミニマム予算から試してみるのはいかがだろうか。