事が「銀行」に関連する問題なので、「1人、1行、1000万円までの預金の元本と利息は預金保険で保護されている」ということを強調しておくが、スルガ銀行の預金者は、自らの預金の状況について丁寧に確認しておくべきだろう。
一般的な注意事項を述べると、預金は1000万円を超えていないか、外貨預金はないか(外貨預金は預金保険の保護対象外だ)といった点検が必要だ。投資信託は財産が信託銀行で分別管理されているので問題ない。
ただし、預金保険による払い戻しが行われる場合には、一時的に自分の預金の一部(60万円と言われている)しか払い戻せない状況となる。これを「不便だ」「気持ちが悪い」と考えて預金を引き出す1000万円以下の預金者がいてもおかしくない。
また、一般論として、金融機関について何らかの大きな処置があるのは週末であることが多い。不安を感じたら、金曜日までに手を打つことが肝心だ。
銀行が無事に退出できるのが「いい金融システム」
スルガ銀行では、倫理的に大きな問題があったし、財務的にも盤石とは言えない。これほど悪質な事例が多数あるとも思えないが、財務的な基盤がスルガ銀行よりももっと脆弱な金融機関は複数ありそうだ。加えて、地域特化型の金融機関には「儲かるビジネスモデル」の可能性がまるで見えない。
行政は、「倫理的に悪い」あるいは「財務的に危ない」銀行が、無事に退出できる手順を早く確立するべきだろう。提携や資本増強などの自主的な動きを待つのでは手遅れになりかねない。
筆者の長年の持論なのだが、銀行が潰れない金融システムが「いい金融システム」なのではなく、どのような銀行でも無事に潰すことができるシステムこそが「いい金融システム」なのだ。
今回のスルガ銀行は、その事例を作るのにふさわしいのではないか。
(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)



