地方銀行ビジネスの袋小路
金融庁の調査によると、地方銀行全106行のうち約4割の40行が、2018年3月期決算で、本業の収益が3期以上連続で赤字となったという。
ここで本業の収益とは、個人や企業向けの融資で得られる利息と、投資信託などの販売手数料などといった稼ぎから、人件費などの関連経費を差し引いたものだ。
地銀は本業の融資では稼げないため、株式や債券などの有価証券を運用して利益を確保する姿勢を強めている。金融庁が31行・グループを調べたところ、23行で過度にリスクをとっているなどの問題点が見つかったという。
金融庁の調査を逆に読むと、調査対象の31行・グループのうち8行は過度なリスクを取っていないことになるのだから、全ての地方銀行が喫緊の問題を抱えているわけではない。個別には、経営状態が良い地方金融機関があるはずだ。