輸入車と聞くと、あなたはどこの国を最初に思い浮かべるだろうか? 同様の質問をダイヤモンド・オンライン読者にアンケート調査したところ、実に93.5%がドイツと回答。イタリア(3.23%)、アメリカ(1.99%)、スウェーデン(0.74%)と続き、5番目にフランスとイギリスが0.50%で並ぶ。
しかし新車販売台数を見ると、影が薄いはずのフランス車の存在感が増しつつあり、なかには前年度比143.8%のブランドも。なぜ今、フランス車が売れるのか? その理由を探る。
日本自動車販売協会連合会によると、国内の新車販売台数は、2年ほど前年比割が続き(2015年度90.7%、2016年度98.5%)、2017年度になりようやくプラスに転じた。
それでも、その数字は105.3%。輸入車を見ても、販売台数トップ3ブランドはメルセデス・ベンツ:101.4%、BMW:100.9%、フォルクスワーゲン:100.9%と、いずれもほぼ前年度と同台数にとどまっている。
こうした数字と比較すると、フランス車の異質さが目立つ。プジョー:118.6%、ルノー:113.7%、シトロエンにいたっては143.8%と、2桁を軽々越える数字を記録した。自動車が売れないと言われるこの時代に、なぜフランス車はこれほどまでに好調なのか?
冒頭の読者調査結果からも分かるように、多くの日本人にとってフランス車は身近とは言えない。「フランス車に乗ったことがあるか?」という質問にイエスと答えたのは14.39%。ほとんどの人は、購入はおろか、乗ったこともないというのが実情だ。そんななかで、人々はフランス車にどのようなイメージを持っているのか? 次のグラフは、国産車、輸入車全体、フランス車それぞれへのイメージを聞いた結果を比較したものだ。
やはりフランス車へのイメージはおぼろげなのか、回答結果は国産車と輸入車の中間といったところ。価格が手頃で、基本性能の信頼感が高い国産車。デザインに優れ、先進的な取組も行う輸入車。フランス車は、概ね輸入車寄りながら、その中では手が届きやすいといったイメージだろうか。あえて特徴を探すとすれば、「オリジナリティがある」という回答が国産車、輸入車よりも多く、反対に「技術力が高い」という回答が最も少ないこと。
フリーワードのコメントを拾っても、「独創的で似ている車がない。それでも”あり”と思わされる。(50代男性)」「他にないユニークなデザイン(50代男性)」といった、デザインや設計思想の独創性を評価するコメントが目立った。技術面に関しては、「ネコ足と呼ばれるサスがイメージにあり、体験してみたい(60代男性)」など、乗り心地に関する高評価がある一方で、「故障が多い(50代男性)」「デザイン重視で、車本来の性能については「?」という印象(50代男性)」と、基本性能への疑問の声があがっている。