「乗ってみないと分からない」を
専門家が徹底分析
「最後は、アンケートにもあった、プジョーのネコ足に代表される走りと乗り心地のハイバランス。フランス車の代名詞と言われています」
アンケートでも何度も見られた“ネコ足”という言葉は、クルマ好きにとってはたまらないポイントのようで、竹内氏の解説にも熱がこもる。
「柔らかいだけでなく、しっかりしているのにショックはソフトにいなしてくれる点が重要で、高速安定性は抜群に高いのに乗り心地もいいという不思議な感覚の足回りのことを指します。凸凹道では柔らかいのに高速でロールしない未来の乗り物感覚が味わえます。とくにシトロエンのサスペンションは昔からすごくて、本国で発表されたシトロエンC5エアクロスのプログレッシブ・ハイドロ―リック・クッションは本当に楽しみ」
この走りと乗り心地のバランスは、一朝一夕で実現したものではなく、フランス車が長い歴史の中で積み上げてきたもの。足回りだけでなく、内装も含め、総合的に設計されている。
「ドイツ車は走り重視、国産車は乗り心地重視に設計されているのに対して、フランス車は中間的なバランスの良さが魅力。シートも作りが良くドイツ車ほど固くなく快適性たっぷり。国産車もそうとうフランス車に学んで改善を重ねてきましたが、いまだ追いつききれていません」
デザインセンス、オリジナリティ、コンパクトサイズ、コストバリュー、走りと乗り心地のハイバランス……。国産車はもとより、他国製の輸入車ともまた違う個性を備えたフランス車。乗ってみないと分からない魅力もあるだけに、知る人ぞ知る存在だったが、オーナーの増加とともに、その魅力に触れる人も増えている。今後もじわじわと人気を増していくのだろうか?
<データ参照元>
日本自動車輸入組合:http://www.jaia-jp.org/wp-content/uploads/private/2017FY_NewCarNews.pdf
日本自動車販売協会連合会:http://www.jada.or.jp/contents/data/type/type00.html