自動車関連事業の売り上げが全体の4割
時代とともに変革を続け、プラスチックのトータルソリューションメーカーとして信頼を集める。その核にあるのは技術力の伝承だ
時代の流れとともに新しい市場を開拓してゆくのが同社の特徴で、06年には大分県に自動車部品専用工場を立ち上げ、なじみのなかった自動車業界に進出した。それまで家電業界で実績があった同社だが、自動車業界の品質管理の厳しさに当初は戸惑った。
「満足のゆく製品ができても、その根拠を求められる。4Mと呼ばれる、マン(人)、マシーン(機械)、マテリアル(材料)、メソッド(方法)の全プロセスに厳しいチェックがあり、生産体制をゼロからつくり上げる必要がありました」と山口社長は振り返る。
だが、そのタフなチャレンジもクリアし、現在では自動車関連事業の売り上げが全体の4割に及ぶ。
この他、アミューズメント機器関連をはじめ、カメラやビデオの外装カバーや、家電製品内部の小さなファンやギアまで、大小さまざまなフォルムの製品を生み出している。
ビジネス領域はB to Bが主流だが、近年はB to Cビジネスの模索も始まっている。02年に開発した、浴室で使えるスリッパ型足洗いブラシ「ヘルシーフットウォッシャー」である。足裏を洗浄する表面の無数のブラシや、裏面の吸盤の形状は複雑で、金型が自社製だからこそ実現した自社ブランド製品である。数年前に、社内にライフデザインラボという部署を設立、販売戦略を強化した結果、今、売れ行きが急増している。