人口が減り、空き家が増え、街が空洞化し、自治体が破綻する……。世界一のスピードで少子高齢化が進む課題先進国、日本には悲観的な未来予想があふれている。しかし、日本の未来はそんなに暗いのか?それに明るく「NO」を突きつけるイベントが昨年11月に大阪で開催された。地域でさまざまな課題解決に挑むエキスパートが集結したビジネスセッション「QUM BLOCS(クム ブロックス)」だ。
課題解決のプロは地方に向かう!
会場となった関西大学の梅田サテライトキャンパス、KANDAI Me RISE(カンダイミライズ)は、平日の昼間というのに約200人のビジネスパーソンで満員御礼。始まる前から異様な熱気に包まれている。
大阪でのイノベーション系イベント開催は珍しく、平日開催にもかかわらず200名超が参加する盛況ぶり。
主催するのは、大阪に本社を構える株式会社フィラメント。大阪市役所での20年の勤務経験を持つ、元公務員の異色の起業家、角勝氏が2015年に起こしたベンチャー企業だ。地方公務員としての経験を生かし、企業の新規事業創出にまつわるコンサルテーションを行うほか、ハッカソンなどのイベントを多数主催。異分野の人と技術を媒介し、多くのイノベーション創出をサポートしてきた。その経験から角氏がつかんだのが「今、地方が面白い」という実感だったという。
日本が課題先進国なら、それらの課題がいちはやく顕在化する地方は「課題のフロンティア」だ。ならば地方で課題解決に取り組む開拓者たちの知見を共有すれば、未来予想を明るく描き直せるのではないか──。
そんな狙いから開催された4つのセッションでは、いずれ劣らぬ濃密な議論が交わされた。まずはそのダイジェストを紹介しよう。
Filament, Inc. 代表取締役CEO 角勝氏