革命期に問われるリーダーの自己変革力

対談(後編) 経済同友会代表幹事・小林喜光氏×松江英夫氏

異質なものを取り入れ
最適化する

松江 そのような革命的な大転換期に、「日本の強み、日本人としての特徴」をどう生かして、この先どう成長していくべきなのか――、この点は私もかなりこだわりがあって一緒に議論させていただきました。

小林 そうですね。松江さんともいろいろ意見交換しましたね。

松江 そこで小林さんは、この先を切り開くキーワードとして「最適化能」を出されました。

 そこで改めて、最適化する力である最適化能こそが日本の強みというところのお考えや将来への生かし方などを、最後にぜひご披露ください。

小林 歴史を振り返ってみると、日本は古くから海外の優れた人材に入ってきてもらい、社会を活性化しながら、新しい文化・文明を創ってきました。異質なものをうまく取り込み、自分たちの良さと掛け合わせながら、社会をアップデートしていく。私は、この日本人の能力を「最適化能」と呼んでおり、今まさにこれを生かして、日本をバージョンアップする、最適化社会を実現することを目指すべきだと考えています。

 「Japan 2.0」で掲げている「最適化社会」とは何かを一言で言えば、人間を中心とした、公正な分配と適正な競争のある社会の実現です。

 そのためにこれから必要なことは、日本人の良いところを守りつつ、よりグローバルに外の知恵や人材、文化などを取り込んでいくことではないでしょうか。

 外のものを取り入れながら最適化していくことで、長い間温めてきたものを変容させながら世界をリードする――。この先はそれくらいの気概が必要です。そのためには、経済的にも、技術的にも常に外に発信できる状態にありながら、東洋哲学、日本哲学というか、内面の部分も深めていきたいですね。

松江 確かにそうですね。外から異なるものを受け入れながら自己改革してきたのが日本の歴史なのに、多くの人はそのことを忘れてしまっているのかもしれません。健全な危機意識を持ちながら、「先と外」を見て異なるものを受け入れ、最適化能を発揮していく。私たちは、自己変革力の底力に自信を持って、前に進むことが大事だと思います。

小林 そのためにも、心を開く、何事にもオープンな姿勢で取り組むことが重要です。オープンイノベーションが大事だといいながら、開かれたエコシステムをなかなか確立できないのは、自己に固執し過ぎている日本人が多いからだと思います。つまりは、自らの「心の内なる岩盤」を打ち破ること、そこから始まるのだと思います。

松江 日本の未来への力強いメッセージをありがとうございました。

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